はくりゅう(SS-503)は、海上自衛隊の潜水艦。そうりゅう型潜水艦の3番艦。艦名は白龍に由来する「はくりゅう」は、中期防衛力整備計画に基づく平成18年度計画2900トン型潜水艦8118号艦として、2007年2月6日に三菱重工業神戸造船所で起工し、2009年10月16日に同造船所にて挙行された進水・命名式において防衛副大臣榛葉賀津也により「はくりゅう」と命名され進水しました。艤装を施した後、2011年3月14日に就役しました。
2011年7月31日に放送されたフジテレビ 1年1組 平成教育学院において、そうりゅう型潜水艦としては初めて艦内が公開されました。そうりゅう型潜水艦(JMSDF SS Sōryū class)は、海上自衛隊が運用及び取得中の新型通常動力型潜水艦です。海上自衛隊初のAIP(Air-Independent Propulsion、非大気依存推進)潜水艦。1番艦が平成16年度(2004年度)予算で建造される潜水艦(SS)であるため16SSとも呼ばれます。
そうりゅう型は計画段階では改おやしお型と呼ばれてましたが、性能面では従来艦と比較して大幅に向上しており、水中排水量4,200tは現代の通常動力潜水艦としては世界最大です。
AIP潜水艦としては、既にスウェーデン海軍のゴトランド級潜水艦、ドイツ海軍の212A型潜水艦などが就役しているが、何れも水中排水量2,000tに満たない小型艦であり、本型は排水量にしてそれらの2倍以上に及ぶ、世界初の大型のAIP潜水艦となりました。
船体はおやしお型とおなじ“葉巻型”ですが、舵に水中運動性が高く舵損傷の危険の少ないX舵を採用しました。前級のおやしお型では、船体及びセイル側面にとどまっていた吸音タイルが、船体の上構部を始め艦全体に取り付けられ、セイル前面基部にフィレットと呼ばれる流線形の覆いを追加し、静粛性向上が図られています。
「あさしお」のAIP化改造では、全長で約9m、基準排水量で340tの増加となりましたが、そうりゅう型では、機器の小型化やAIP区画以外の各区画でスペース圧縮が図られた結果、おやしお型と比較し全長で2m、基準排水量で150tの増加に留まりました。省力化により乗員は逆に5名減少しています。
海上自衛隊では次世代潜水艦のAIP(Air-Independent Propulsion、非大気依存推進)システムとして、スウェーデンのコックムス社のケロシンと酸素を燃料とするスターリング機関(4V-275R MkII)の採用を決定し、2001年には練習潜水艦「あさしお」を改造して搭載し、実艦試験を行ってきまし。そうりゅう型ではその改良型である4V-275R MkIII(連続定格出力75kW、川崎重工業でライセンス生産)を4基搭載し、数日間が限度だった低速時の水中持続力を2週間以上に延長しました。
『75kw=102ps(1 kワット(W)=1.36仏馬力(PS))』電動機は直流から交流へ変更されました。
潜望鏡は従来の光学式2本から、従来型と非貫通式潜望鏡1型(イギリス、タレスUK社製非貫通式潜望鏡CMO10を三菱電機でライセンス生産)各1本へ変更。
指揮管制支援ターミナル(C2T:Command and Control Terminal)の装備など新機軸も採用されています。
そうりゅう型5番艦(SS-505)からは、主蓄電池として、従来の鉛蓄電池と比べ、2倍以上の重量容積あたりエネルギー密度と、1.5倍以上の繰り返し充放電回数を持ち、充電時間が短く、放電による電気容量の低下を抑えたリチウムイオン蓄電池を搭載する予定でしたが、財政難により8番艦(SS-508)以降に変更されていまする。リチウムイオン蓄電池の搭載により、巡航速度が改善し高速航行可能な時間が増大する予定となっている。
さらに防衛省は、スターリング機関を代替する2020年代の次世代潜水艦用AIPシステムとして、燃料電池システムを研究中です。
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