1960 (昭和35)年4月から1971 (同46)年3月まで製造された2軸ボギー無蓋貨車です。東武鉄道に在籍した貨車中、同一形式で最多の222両を所有するとともに、東武で最後に造られた車体長13.8mの大形貨車でした。 写真の貨車は1967 (昭和42)年に造られた49~88号の中の一両で、もとの車号は不明です。廃車後、約3分の1にカットされ、改造されて元杉戸工場構内で重量測定用に使用されていました。小さくなっていますが、かつての面影を残すものです。
ト…無蓋車 キ…荷重トン数25t以上
国鉄トキ1形貨車は、かつて日本国有鉄道(国鉄)の前身である鉄道省等に在籍した無蓋貨車である。1909年(明治42年)に、鉄道作業局が汽車製造で5両を製作した、日本初の25トン(石炭荷重15トン)積み汎用二軸ボギー無蓋車である。製造当時は、ムボ1001形(ムボ1001 - ムボ1005)と称した。手用制動機付きであったことから、1911年(明治44年)の鉄道院車両称号規程制定ではフオト6199形(フオト6199 - フオト6203)、後にオト6199形(オト6199 - オト6203)、となった。1928年(昭和3年)の車両称号規程改正では、トキ1形(トキ1 - トキ5)に改称された。同時期に試作されたホテワ1形(後のテキ1形(初代))とともに、当時日本最大級の貨車であったが、いずれも量産には至らなかった。また、本形式は、昭和初期まで日本最大の無蓋車であった。車体は木製で、一部(片側2か所)をあおり戸とした他は固定4枚式の側板、妻板を有した。妻板の上部はフラットである。台枠は鋼製で、中梁は中央部の高さを増した魚腹型である。台車は軸距1,529mmのアーチバー式の二軸ボギー台車で、枕バネはコイルバネを並べたものである。数が少なかったことから専属配置され、主に木材輸送に使用されたが、1949年(昭和24年)までに全車が廃車となった。
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