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海上保安大学校の実習艇「いつもり」で以下のような研究が行われました。日本沿岸にはテロの標的となりうる重要な施設が数多く存在する 。これら日本の沿岸に多数存在する石油関連施設、港湾施設、原子力発電所等の重要施設、LNG・石油タンカーやサミット等に対するテロ行為の警備、および地上から可視困難な海中空間で発生する各種犯罪を防止するため、隠密潜入する小型潜水艇、ダイバー等の危険な目標を音響によるレーダ探知により遠距離から監視追尾し、近距離では高分解能の音響ビデオカメラにより目標を識別することによりに示すような統合的な監視を実現する水中セキュリティソーナーシステムを開発する。 文部科学省科学技術振興調整費による重要課題解決型研究「水中セキュリティソーナーシステムの開発」として、平成17年度から3ヶ年計画で開始された . 最終年度に当たり、東京大学生産技術研究所、(株)日立製作所、(株)東陽テクニカとの共同研究である。海上保安大学校としては、実際の監視海域での実用化を念頭におき、監視場所、監視目標、監視方法に対応した2種類の監視システム(沿岸監視システム、機動型監視システム)を構築し、これらによる最適な映像監視手法の開発を行った。 また、これらの音響ソーナー映像を補い、より効果的な監視システムを構築するために、海上レーダ等との連携監視手法の開発、地図情報やAIS 情報等を取り込んだ複合的な表示監視法の開発を行った。さらに、実海域において各種運用試験を行い、システムおよび監視手法の検証を行うとともに、それらの結果を音響センサおよび運用支援ソフトウエア等の開発・改良にフィードバックし、開発した監視システムが目標どおりの性能を有していること、開発した監視手法により各種目標物を有効に探査・映像化できること、目標物の自動検出等の運用支援ソフトが実用段階にあること 水中セキュリティソーナーシステムの概念図 水中セキュリティシステムの全体構成図 を確認した。これにより、開発したシステムが、臨海重要施設等への水中テロ監視、不審物探査、不法投棄等の犯罪取締り、沈船・行方不明者等の水中捜索などにおける水中監視・撮影システムとして極めて有効であることが確認されている。 先ず、試作した音響ビデオカメラ(Standard type, Long Range type)、岸壁固定型音響レーダ、船舶搭載型音響レーダ、海底設置型音響レーダについて、センサ単体毎の基本性能を評価した。次に、これらの音響センサを組み合せて、警備対象施設付近の岸壁等に固定設置する沿岸監視システムおよび監視艇等に搭載する機動型監視システムの2種類の監視システムを構築し、実海域における実装試験を行なって各種目標物に対する最適な監視手法の開発を行った 。併せて、海上レーダ等音響センサ映像を補う他のセンサおよび目標物の自動識別等を行なう運用支援ソフトを組込んだ運用試験を行ない、連携監視・複合表示監視手法の開発を行いました。
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