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色々な調律師が

2005-02-18 23:51:20 | 調律師の仕事
今日は、調律の仕事で使う工具やピアノ部品の問屋のバーゲンに行ってきました。
年に1回、この時期にやるのだよね。

普段、調律師が大勢集まる機会は多くないので、行くたびに感じるけど、見るからに変わり者っぽい人が、多いんですよ、やはり。
勤め人とはずいぶん雰囲気が違うよね。
年配で、オーバーホール用の部品やピアノのトップカバーを大量に仕入れているのは、工房を持っていて中古ピアノを直して販売している人たちで、圧倒的にオジサンばかりです。
もう一つの客層は、若い調律専門学校生らしく、その世代には女性も多いですが、それ以外で女性を見ることは滅多になくて今日はいませんでした。

最近、調律科を持つ音楽スクールが増えてるけど、ユーザーを見渡せば生ピアノを使う層は減少しているわけですから、学校を出ても仕事はなかなかない状況です。
調律の勉強はしたけど、部品屋さんの事務員に就職というパターンもありがち。
最近増えている中古買取業者の工房に入るケースがありますが、買い取られたピアノは中国に送られるケースが多くて、最低限の修理だけやって出してしまうので、国内のユーザーと付き合って行く技術を幅広く身に着けることとは、ちょっとずれる部分もあるように感じられます。

私が調律師養成所を出た時代は、まだデジタルなどもなくて、ベビーブーマーの子供たちが丁度ピアノを習う時期でした。
ピアノがどんどん売れていたので、仕事を軌道に乗せるのはやりやすかった時代。
もちろん新品の仕事だけではなくて、調律師の足りない1950~60年代のピアノの中には長い間ほっておかれたものも多かったので、仕事の絶対数の多い時代はとにかく日々色々なお宅で様々なケースに出くわしながら、沢山の経験を積ませてもらえたものだった。

今は一般ユーザーはデジタルに流れてしまいましたから、調律師はよりプロ向けの技術がないと生き残れなくなって来ているように思うけど、商売でやってるスクールというのは夢を売るみたいなところがあって、卒業後の大変さまではなかなか教えてくれてないみたい。
20代の調律師の卵を見ると、この先厳しいぞ・・・と心の中で呟いてしまうのだ。でも、がんばってくれよ・・・。
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