町の嫌われ者でいつもご機嫌斜めなオットー。曲がったことが許せない彼は、近所を
毎日パトロールしてはルールを守らない人に説教を垂れ、挨拶をされても仏頂面で
野良猫には八つ当たりをするなど、面倒で近寄り難い存在だった。しかし、そんな
オットーも人知れず孤独を抱えている。最愛の妻に先立たれ、仕事も失った彼は、自ら
の人生を終わらせようとしていた。ところが、向かいの家に越してきた陽気な女性
マリソルとその家族が、なにかと邪魔をして、死のうと思っても死ぬことができない
しかし、そんな迷惑なはずの一家の出現が、彼の人生を変えてくことになる。
本作は、町内一の嫌われ者ということでしたが、ルールを守ることを大切にするが為
口うるさくなり、口論に。そして、意外と手が早い。
言っていることは間違っていないかもしれないけど、いかにも昭和の親父で、聞く耳
持たずで威圧的・・・煙たがられもするが、不器用なオットーの思いは伝わっており
声をかけられたり、頼りにされている。でも、妻を亡くし、色褪せてしまった彼には
みんなの想いや言葉はなかなか通じず、妻のあとを追おうとする。が、何度も失敗し
その度に予期せぬ出来事に巻き込まれ、人と触れあい、繋がっていく。
向かいに引っ越してきた一家との新たな出会いが、妻が残した教え子との出会い・・・
意見の相違から疎遠になったご近所さん…妻が全てで、自分の殻に籠っていたオットー
が、少しずつ心を開き、新たに感じ、考え、行動へと移す様・・・そして、ラスト
切なくもありますが、心温まる作品でした。
人との縁を大切にして・・理想だけど、そうありたいと思わせる映画だった。 ☆☆☆☆