第2次世界大戦中、才能にあふれた物理学者のロバート・オッペンハイマーは、核開発を急ぐ米政府
のマンハッタン計画において、原爆開発プロジェクトの委員長に任命される。しかし、実験で原爆の
威力を目の当たりにし、さらにはそれが実戦で投下され、恐るべき大量破壊兵器を生み出したことに
衝撃を受けたオッペンハイマーは、戦後、更なる威力をもった水素爆弾の開発に反対する様になるが
物語は、アメリカ原子力委員会によるオッペンハイマーの聴聞会から始まります ソビエト連邦との
冷戦が激化していた当時、アメリカでは「赤狩り」で多くの共産主義者が取り締まりを受けたが
オッペンハイマーもソ連のスパイだと疑われていたためです オッペンハイマーは原子爆弾の開発・
製造を目的とする「マンハッタン計画」を主導し、1945年7月には人類史上初の核実験となった
「トリニティ実験」を成功。翌8月、日本の広島・長崎に2発の原子爆弾が投下される。しかし、日本
の惨劇を目の当たりにしたオッペンハイマーは、戦後に態度を一変させ、水素爆弾の開発に反対した
事で立場が危うくなり、聴聞会が開かれ、機密保持許可を剥奪される。と言うのがざっくりとした
あらすじですが、ストローズの公聴会(白黒)・オッペンハイマーの聴聞会・オッペンハイマーの生涯
がごちゃ混ぜで描かれ、登場人物の相関関係も分からないまま進むし、会話も独特で、冒頭の90分で
集中力が途切れてしまいました、トリニティ実験あたりから、また緊張感が高まり、聴聞会からスト
ローズの公聴会へと怒涛のラストを迎える熱量は圧巻でしたね 確かに落とした側と落とされた側で
感じ方は180度異なるでしょうが、故意に2度も落とした事に義憤の念を感じざるえなかった。
原爆の爆発は、映画の様なあんなちっぽけな規模では無いと思いましたし、都市全体をキノコ雲が
覆い都市が一瞬にして消え去る威力を持つ物でした 只ノーランは少なくとも原爆を落としたアメリ
カ側の倫理観はどうだったかを国民に問うているように感じますし、オッペンハイマーの苦悩———
民間人を20万以上殺す兵器を開発してしまった事への責任と原爆行使の決定権を持て無い事へのやる
せなさを丁寧に描いていたのでは無いでしょうか?
オッペンハイマーが原爆をつくらなければソ連に覇権を握られていたかもしれないので、アメリカの
国益を守るためにも開発はマストだったと思う。
原爆や水爆は人類に対してはやはり使ってはならないと改めて感じる価値ある作品です ☆☆☆★