言わずと知れた「パルムドール」受賞作品です。
治(リリー・フランキー)と息子の祥太(城桧吏)は万引きを終えた帰り道で、寒さに震えるじゅり(佐々木みゆ)
を見掛け家に連れて帰る。見ず知らずの子供と帰ってきた夫に困惑する信代(安藤サクラ)は、傷だらけの彼女を
見て世話をすることにする。信代の妹の亜紀(松岡茉優)を含めた一家は、初枝(樹木希林)の年金を頼りに生活していたが
家族の様で全くの他人の集まりの偽家族・・・夫婦のいびつな関係、しかし、それぞれが本当の愛情を求めあって集まった
楽しかったはずの時間が偽物なのか本物なのか?この話では、世の中で言う正しいとされることが本当にそう言い切って
しまっていいのか?を投げかけているように思います
物語の後半、少年が夫婦に疑問を持ちはじめ、そこからこの映画の本題を展開して行くのでは無いでしょうか?
信代が全てを悟って少年にある事を打ち明けるシーン・・・治が最後に少年と話すシーン・・・・
何かに屈服してしまう姿が本当に見ていて辛い。この夫婦が何を抱えてこんなにいびつになったのかも考えさせられた。
翔太にとっても、ユリにとっても、この家族といられた時間、愛情を知れた時間がこの先希望になると信じたいと思った。
昔、貧しい家族はそこそこいて(今でも貧富の格差はあると思うが)、駄菓子屋で万引きする子供もいたと思う。だけど
この映画の駄菓子屋の店主(柄本明)のようにそれを黙認する懐も社会としてあったはず。柄本さんは出番は少なくとも
素晴らしい演技で心に残るワンシーンでした。
今も何処かで似たような事はあるはずです・・・・感動作品と言うより課題を投げかけられている様な作品でした。
他人の集合体でも本当の家族より強い幸せを感じます
お父さん・お母さん・実子から成る家族こそが正解、という常識は狭いものでしかない。 ☆☆☆☆★
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