ドイツの絵本作家ジュディス・カーが少女時代の体験を基につづった自伝的小説「ヒトラーにぬすまれた
ももいろうさぎ」を、「名もなきアフリカの地で」のカロリーヌ・リンク監督が映画化。1933年2月
ベルリンで両親や兄と暮らす9歳のアンナは、ある朝突然、「家族でスイスに逃げる」と母から告げられる
新聞やラジオでヒトラーへの痛烈な批判を展開していた演劇批評家でユダヤ人でもある父は、次の選挙での
ヒトラーの勝利が現実味を帯びてきたことに身の危険を感じ、密かに亡命の準備を進めていたのだ。
持ち物は1つだけと言われたアンナは大好きなピンクのうさぎのぬいぐるみに別れを告げ、過酷な逃亡生活
へと踏み出していく
1933年のベルリン、ユダヤ人の9歳のアンナの父は演劇評論家でヒトラー批判をしていた為、次の選挙で
ヒトラーが当選する前に一家は亡命を決めます。兄とアンナが許された持ち物は本2冊とおもちゃ1つだけ
アンナはいつも一緒にいてくれたボロボロのうさぎと新しい犬のぬいぐるみのどちらにするか真剣に悩み
そして家や家具たちに「さようなら」を告げるシーンが引っ越しの旅に描写されています
一家は助け合って暮らしますが、生活は安定せず、数か国を転々とします。子供たちはその度に新しい習慣
や言葉を一から覚えなければならず、友達ともお別れ、父親は「新しい事を覚えられる」と励ましますが
伝え聞く祖国の状況は悪化の一途で、アンナはうさぎを置いてきた事を後悔・・・
兄は、「新しい犬だっていいじゃないか。古いうさぎは卒業しろ」と・・・ピンクのうさぎは、無邪気で
幸福だった少女時代のアンナ 最初は子供らしくわがままを言ったりしたアンナが事情を呑み込んでくると
次第にわがままを言わなくなる姿は心が痛みますが、悲惨な映画ではありません。子供の感性と前向きな
姿勢が素晴らしいです。
うさぎがあれだけ?とは思ったけど、アンナ役の子に救われた感がある作品でした ☆☆☆☆
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます