親にも学校にも不満を抱える高校生の百合は、進路をめぐって母親とケンカになり
家を飛び出して近所の防空壕跡で一夜を過ごす。翌朝、百合が目を覚ますと、そこ
は1945年6月の日本だった。通りがかりの青年・彰に助けられ、軍の指定食堂に連れ
て行かれた百合は、そこで女将のツルや勤労学生の千代、彰と同じ隊の石丸、板倉
寺岡、加藤らと出会う。彰の誠実さや優しさにひかれていく百合だったが、彼は
特攻隊員で、間もなく命懸けで出撃する運命にあった。
正直、最初は中高生くらいの若い女性が好きな純愛物の映画と思っていましたが
中々。評判が良さそうなので鑑賞です。良い意味で何倍も期待を裏切られました。
正直、最初のポスターの印象と、また実際に映画館の席に着いたときにも中高生
の女の子達やカップルの方が多かったので、少し恥ずいな~と思いながら・・・
冒頭はどこにでもいる現代のどこか満たされない気持ちと進路に迷う思春期の高校
3年生の女子から始まり、母親との親子喧嘩をきっかけに戦時中にタイムスリップ
してしまうストーリー展開で、現代の恵まれた時代に生きて何処か満たされない
気持ちを抱える私達が、もしそのまま戦時中の世界に居たらと自然に感情移入が
できるような話の展開でした。タイムスリップした先で知る戦時中のリアルに
現代社会がどれだけ恵まれているのか、また恵まれ過ぎて他人と比べて自分を
卑下して満たされない気持ちになっている現代人の私達に自然と今ある平和の
有り難さ、食べ物が余る程ある有り難さを訴えているのが凄くスッと入って来ます
戦争の恐ろしさ、愛する人々との残酷な別れの数々のストーリー・・・今現在
実際に起こっている問題だと思うととても恐ろしく危機感すら覚えます
戦争を知らない世代ばかりになりつつある(私も含め)今の時代に、とてもリアル
に自然に入り込んで戦争の恐ろしさ、平和の大切さ、食べられることの有り難さ
大切な人と過ごせる毎日の大切さを教えてくれる良い作品だと感じました。
最近観たこの類の作品の中でも特に色んな事を感じる作品でしたね
是非若い世代の方は勿論、多くの世代の方々に見て貰いたい映画だと思います ☆☆☆☆