樋口一葉
2004-11-23 | 人物
1896年 の今日(11月23日)は明治時代の女流小説家樋口一葉(1872年3月25日生)の忌日。
2004(平成16)年11月1日に日本銀行が発行した新五千円札に、はかなくも24歳の人生で生涯を閉じた樋口一葉の肖像が採用された。女性の肖像が採用されたのは戦後初めてのこと。時代に翻弄されることなく常に信念をもって、自分の思いを作品に綴り、明治文学界に燦然と輝く文学作品を遺し24歳の若さで人生を終わった樋口一葉。
樋口一葉の本名は「奈津」。東京に生まれる。小さいときから抜群の成績をあげ,15歳で和歌を中島歌子に学ぶが,兄や父が続いてなくなり,18歳で一家を扶養する責任を課せられた。苦しい生活のなか小説を書くことを決意,師である半井桃水(なからいとうすい・朝日新聞の小説記者)の提案で筆名「一葉」を使うようになる。しかし、小説で生計を立てるのは難しく、知人に借金をしながら何とか生きてゆくのがやっとであった。小説が世に出るようになってもなお生活は苦しかったが、執筆活動に専念した。明治27年12月「文学界」に「大つごもり」を発表してから一葉を一躍有名にした「たけくらべ」が完結する明治29年1月までの14ヶ月で、最高傑作といわれる代表作の全てを書き上げており、この期間は「奇跡の14ヶ月」と言われている。しかし肺結核がしだいに進行し,24歳でこの世を去った。
代表作の「たけくらべ」は一葉の小説の中では最も長い小説で、少年少女の淡い恋物語である。流れるような美しい文体は「雅文体」とか呼ばれ、今紫式部とか、今清少納言にも讃えらる。しかし、私も、学生の頃読んだが、難しかったな~と言う記憶がある。
一葉という筆名は、達磨が一枚の芦の葉に乗って中国に渡った故事にちなみ、達磨に足がないことから『おあしがない』と貧乏をしゃれのめしたもの」らしいが、貧しい生活の中で、女性が世に出ることすら難しかった時代を強い意思で逞しく生き抜き、社会や文学界に大きな影響を与える作品を生み続けた情熱。当時とは比べものにならないほど、地位が向上した現在の女性にも、一葉の情熱、苦境に負けない逞しさは学ぶところが多いであろうと思う。
参考:
お金について:新しい日本銀行券(五千円券)の印刷開始と偽造防止技術についてなど(日本銀行HP)
http://www.boj.or.jp/money/money_f.htm
樋口一葉「たけくらべ」(近代小説千夜一夜ー小埜裕二)
http://sun-cc.juen.ac.jp:8080/~yuji/higuti-takekurabe.htm
樋口一葉「にごりえ」(近代小説千夜一夜-小埜裕二)
http://sun-cc.juen.ac.jp:8080/~yuji/higuti-nigorie.htm
2004(平成16)年11月1日に日本銀行が発行した新五千円札に、はかなくも24歳の人生で生涯を閉じた樋口一葉の肖像が採用された。女性の肖像が採用されたのは戦後初めてのこと。時代に翻弄されることなく常に信念をもって、自分の思いを作品に綴り、明治文学界に燦然と輝く文学作品を遺し24歳の若さで人生を終わった樋口一葉。
樋口一葉の本名は「奈津」。東京に生まれる。小さいときから抜群の成績をあげ,15歳で和歌を中島歌子に学ぶが,兄や父が続いてなくなり,18歳で一家を扶養する責任を課せられた。苦しい生活のなか小説を書くことを決意,師である半井桃水(なからいとうすい・朝日新聞の小説記者)の提案で筆名「一葉」を使うようになる。しかし、小説で生計を立てるのは難しく、知人に借金をしながら何とか生きてゆくのがやっとであった。小説が世に出るようになってもなお生活は苦しかったが、執筆活動に専念した。明治27年12月「文学界」に「大つごもり」を発表してから一葉を一躍有名にした「たけくらべ」が完結する明治29年1月までの14ヶ月で、最高傑作といわれる代表作の全てを書き上げており、この期間は「奇跡の14ヶ月」と言われている。しかし肺結核がしだいに進行し,24歳でこの世を去った。
代表作の「たけくらべ」は一葉の小説の中では最も長い小説で、少年少女の淡い恋物語である。流れるような美しい文体は「雅文体」とか呼ばれ、今紫式部とか、今清少納言にも讃えらる。しかし、私も、学生の頃読んだが、難しかったな~と言う記憶がある。
一葉という筆名は、達磨が一枚の芦の葉に乗って中国に渡った故事にちなみ、達磨に足がないことから『おあしがない』と貧乏をしゃれのめしたもの」らしいが、貧しい生活の中で、女性が世に出ることすら難しかった時代を強い意思で逞しく生き抜き、社会や文学界に大きな影響を与える作品を生み続けた情熱。当時とは比べものにならないほど、地位が向上した現在の女性にも、一葉の情熱、苦境に負けない逞しさは学ぶところが多いであろうと思う。
参考:
お金について:新しい日本銀行券(五千円券)の印刷開始と偽造防止技術についてなど(日本銀行HP)
http://www.boj.or.jp/money/money_f.htm
樋口一葉「たけくらべ」(近代小説千夜一夜ー小埜裕二)
http://sun-cc.juen.ac.jp:8080/~yuji/higuti-takekurabe.htm
樋口一葉「にごりえ」(近代小説千夜一夜-小埜裕二)
http://sun-cc.juen.ac.jp:8080/~yuji/higuti-nigorie.htm