今日(5月2日)は「郵便貯金の日,郵便貯金創業記念日」
郵政省(現在の日本郵政公社)が1950(昭和25)年に制定。 東京府下の郵便局と横浜郵便局で郵便貯金の業務を開始した日。
日本の近代郵便制度の創設者は前島 密。1871(明治4)年、日本の郵便制度スタート。駅逓頭(郵政長官)となる。わが国の郵便貯金は、1875(明治8)年5月2日、東京府下に18ヵ所、横浜に1ヵ所 の計19ヵ所に貯金預所を創設し、貯金の業務を開始した。イギリスの貯金制 度(1861年施行)を参考にして、制度や規則を制定し、創業したもので、イギリス、ベルギー についで世界で3番目に実施されたものだそうである。
よく、「預金」とか「貯金」とか言われるが、その、違いは保護制度と取扱機関の違いによるもので、銀行や信金・信組など、「預金保護制度」で保護されているところが扱うものを「預金」と呼び、企業や個人経営者などからお金を預かるのを目的として始まっており、郵便貯金法と農水産業協同組合貯金保険制度で保護される郵便局や農協・漁協で扱うものを「貯金」と呼んでいる。「貯金」は個人がお金を貯めることを目的として始められたこともあり、我々庶民には、昔から、預金などよりもずっと、「貯金」という言葉の方に馴染みがあるのではないか。
今、そのなじみ深い郵便貯金制度が、郵政事業の民営化で話題になっている。明治以来、全国津々浦々の郵便局が、我々庶民の小口貯蓄の受け皿となってきたが、、気がついてみるとその貯蓄額は、民間の銀行の倍にもなる巨額となり、「世界最大の国立銀行」となっていた。
集められた巨額の資金は、戦前は、軍事目的に使用されたり、戦後は、財政投融資の財源となって公共投資に向けられたり、また、近年は、国の発行する赤字国債の購入資金などにあてられている。
小泉内閣は、この郵貯や簡保からの資金が、無駄な公共投資等に向けられていることが今日の財政赤字の原因となっていることから、郵政3事業(郵便業務・郵便貯金・簡易保険)の民営化を進めようとしているが、同じ自民党内の反対派の強い抵抗もあり、民営化案は反対派の意見を採りれたことにより次第に、当初案とは異なったわけのわからないものになっていっている。TVでの賛成派、反対派双方の言い分を聞いていても、最近は、民営化をするか、それを潰すか・・といった何か、自分達の政治的な道具に使われているようであり、不愉快で仕方がない。
民間金融機関は、以前より、税金の免除などの「隠れた補助金」のある国営の「郵便貯金」が、民間の金融機関の市場形成を阻害していると批判している。確かに、そのこと自体は、金融機関のいっているとおりであるが、しかし、その金融機関は、担保を取って金を貸すしか能力がなく、その取った担保が、バブルがはじけて資産価値が下がり、今は、預金にまともな利息を払うことも出来ず、何時つぶれてもおかしくない銀行が、国民の税金を投入されやっと生き残っているようなものである。一方、郵貯は、確かに、預ける側の庶民にとっては便利な機関ではあるが、ここも、銀行と同じで、とてつもない額のお金を預かっても、その運用をする能力はなく、政府の財投融資に使ってもらうぐらいしか出来ないのである。今日本の国の国家債務は2002年に約700兆円もあるといい、これは言い換えれれば、国民が国に借金しているのと同じことになるので、今後、赤ちゃんも1人として、国民一人当たり580万円を国に税金で返さなければならないことになる。つまり、子供2人と夫婦の4人家族なら、今、自分達の持っている預貯金から2200万円位を国に収めなければならないということである。世界でも、これだけの赤字財政の国はないだろう。これ以上の財政赤字を作ってどうするか?確かに、便利な郵便貯金では、あるが、そう言って、みんなが貯金をしても、その貯金は、又、財投や赤字国債を購入するために使われてはたまらない。この赤字を解消しようとしても、これからの少子高齢化の時代に、税収が大幅に伸びるとは思えず、結局は、すごい税金の負担となるか、もしくは、デノミでしか解決できなくなるのではないだろうか・・・。こんな、大変なことを改革してゆかなくてはならないのに、いま、改革推進派と反対派のやり取りの中に見えてくるものは、郵政事業のもとにある巨額の個人貯蓄資金の争奪であり、また郵政民営化株の売出によって、巨額の株式売却代金を確保したい政府と財務省、それと、全国津々浦々にある郵便局、また、郵政官僚の票を当てにして、小泉潰しをし、その後の選挙を有利にしようとしている野心家達との戦いになっているとしか見えてこない。しかし、このことは結局、国民の政治・経済音痴の結果が招いたともいえる。昔から、お金はお足と言う。お金を貯めても預貯金などで、そこにたまったまま、動かなければ、経済は活性化しない。しかし、今大手の民間企業は、銀行などからお金を借りようとしない。そんなお金はマーケットから調達する。銀行や郵貯は結局、お金を集めても運用能力がないため政府の発行する赤字国債を買うしか仕方がなくなるのである。自由主義経済では、個人の資金がマーケットへ流れ、市場で生きたお金として使われない限り市場経済は活性化しないだろう。今、日本のお金は想像もできないくらい大暴落するかも知れない危険を含んでいることを頭の隅にはとどめておかなければならないだろう。
(画像は、貯金預金通帳(明治8年) 最初に定められた貯金通帳で、 用紙は半紙。日本郵政公社 郵政資料館 より)
参考:
日本郵政公社 郵政資料館 所蔵品一覧
http://www.teipark.jp/report_yusei.html
郵便貯金ホームページ
http://www.yu-cho.japanpost.jp/
破綻 Collapse
http://www.ne.jp/asahi/oasis/inoue-h/about/hatan.html
郵政省(現在の日本郵政公社)が1950(昭和25)年に制定。 東京府下の郵便局と横浜郵便局で郵便貯金の業務を開始した日。
日本の近代郵便制度の創設者は前島 密。1871(明治4)年、日本の郵便制度スタート。駅逓頭(郵政長官)となる。わが国の郵便貯金は、1875(明治8)年5月2日、東京府下に18ヵ所、横浜に1ヵ所 の計19ヵ所に貯金預所を創設し、貯金の業務を開始した。イギリスの貯金制 度(1861年施行)を参考にして、制度や規則を制定し、創業したもので、イギリス、ベルギー についで世界で3番目に実施されたものだそうである。
よく、「預金」とか「貯金」とか言われるが、その、違いは保護制度と取扱機関の違いによるもので、銀行や信金・信組など、「預金保護制度」で保護されているところが扱うものを「預金」と呼び、企業や個人経営者などからお金を預かるのを目的として始まっており、郵便貯金法と農水産業協同組合貯金保険制度で保護される郵便局や農協・漁協で扱うものを「貯金」と呼んでいる。「貯金」は個人がお金を貯めることを目的として始められたこともあり、我々庶民には、昔から、預金などよりもずっと、「貯金」という言葉の方に馴染みがあるのではないか。
今、そのなじみ深い郵便貯金制度が、郵政事業の民営化で話題になっている。明治以来、全国津々浦々の郵便局が、我々庶民の小口貯蓄の受け皿となってきたが、、気がついてみるとその貯蓄額は、民間の銀行の倍にもなる巨額となり、「世界最大の国立銀行」となっていた。
集められた巨額の資金は、戦前は、軍事目的に使用されたり、戦後は、財政投融資の財源となって公共投資に向けられたり、また、近年は、国の発行する赤字国債の購入資金などにあてられている。
小泉内閣は、この郵貯や簡保からの資金が、無駄な公共投資等に向けられていることが今日の財政赤字の原因となっていることから、郵政3事業(郵便業務・郵便貯金・簡易保険)の民営化を進めようとしているが、同じ自民党内の反対派の強い抵抗もあり、民営化案は反対派の意見を採りれたことにより次第に、当初案とは異なったわけのわからないものになっていっている。TVでの賛成派、反対派双方の言い分を聞いていても、最近は、民営化をするか、それを潰すか・・といった何か、自分達の政治的な道具に使われているようであり、不愉快で仕方がない。
民間金融機関は、以前より、税金の免除などの「隠れた補助金」のある国営の「郵便貯金」が、民間の金融機関の市場形成を阻害していると批判している。確かに、そのこと自体は、金融機関のいっているとおりであるが、しかし、その金融機関は、担保を取って金を貸すしか能力がなく、その取った担保が、バブルがはじけて資産価値が下がり、今は、預金にまともな利息を払うことも出来ず、何時つぶれてもおかしくない銀行が、国民の税金を投入されやっと生き残っているようなものである。一方、郵貯は、確かに、預ける側の庶民にとっては便利な機関ではあるが、ここも、銀行と同じで、とてつもない額のお金を預かっても、その運用をする能力はなく、政府の財投融資に使ってもらうぐらいしか出来ないのである。今日本の国の国家債務は2002年に約700兆円もあるといい、これは言い換えれれば、国民が国に借金しているのと同じことになるので、今後、赤ちゃんも1人として、国民一人当たり580万円を国に税金で返さなければならないことになる。つまり、子供2人と夫婦の4人家族なら、今、自分達の持っている預貯金から2200万円位を国に収めなければならないということである。世界でも、これだけの赤字財政の国はないだろう。これ以上の財政赤字を作ってどうするか?確かに、便利な郵便貯金では、あるが、そう言って、みんなが貯金をしても、その貯金は、又、財投や赤字国債を購入するために使われてはたまらない。この赤字を解消しようとしても、これからの少子高齢化の時代に、税収が大幅に伸びるとは思えず、結局は、すごい税金の負担となるか、もしくは、デノミでしか解決できなくなるのではないだろうか・・・。こんな、大変なことを改革してゆかなくてはならないのに、いま、改革推進派と反対派のやり取りの中に見えてくるものは、郵政事業のもとにある巨額の個人貯蓄資金の争奪であり、また郵政民営化株の売出によって、巨額の株式売却代金を確保したい政府と財務省、それと、全国津々浦々にある郵便局、また、郵政官僚の票を当てにして、小泉潰しをし、その後の選挙を有利にしようとしている野心家達との戦いになっているとしか見えてこない。しかし、このことは結局、国民の政治・経済音痴の結果が招いたともいえる。昔から、お金はお足と言う。お金を貯めても預貯金などで、そこにたまったまま、動かなければ、経済は活性化しない。しかし、今大手の民間企業は、銀行などからお金を借りようとしない。そんなお金はマーケットから調達する。銀行や郵貯は結局、お金を集めても運用能力がないため政府の発行する赤字国債を買うしか仕方がなくなるのである。自由主義経済では、個人の資金がマーケットへ流れ、市場で生きたお金として使われない限り市場経済は活性化しないだろう。今、日本のお金は想像もできないくらい大暴落するかも知れない危険を含んでいることを頭の隅にはとどめておかなければならないだろう。
(画像は、貯金預金通帳(明治8年) 最初に定められた貯金通帳で、 用紙は半紙。日本郵政公社 郵政資料館 より)
参考:
日本郵政公社 郵政資料館 所蔵品一覧
http://www.teipark.jp/report_yusei.html
郵便貯金ホームページ
http://www.yu-cho.japanpost.jp/
破綻 Collapse
http://www.ne.jp/asahi/oasis/inoue-h/about/hatan.html