宮沢賢治「竹と楢」より
半紙
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全文は以下の通りです。
竹と楢
煩悶ですか
煩悶ならば
雨の降るとき
竹と楢の林の中がいいのです
(おまえこそ髪を刈れ)
竹と楢の青い林の中がいいのです
(おまえこそ髪を刈れ
そんな髪をしてゐるから
そんなことも考へるのだ)
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( )の中は、どういうことかよく分からないのですが
賢治の内面の激しい葛藤の表現かもしれません。
この3行だけにしてしまうと、
賢治の表現意図からは離れてしまうのでしょうが
独立した詩のようにも思えてきます。
どんな「煩悶」も、「竹と楢の林の中」なら自ずと静まるような気がします。