69年前の今日も暑い夏日であった。昭和20年終戦の年の事である。竟に戦いが本土決戦に及ぼうとして一億一心で、それが将に展開されそうな雲行きであった。特に陸士生徒として、身を賭して日本を守ろうと、至高な責務を背負い、ここが先途と故郷の父母や神社仏閣に、最期の別れの為の里帰りをした日であった。日本の必勝を期して、純粋無垢な青年達は、皆並々ならぬ覚悟を持った。故郷では両親や家族が、大変に好意で迎えて呉れた。本土決戦で今生の別れと思うと、無性に故郷の父母や山河が恋しくて堪らなかった。この心境を思い出すだに、当時僅かな時間、故郷の神社回りが無性に思い出深く、今生の分かれと考えたものと思う。弱冠18歳の若き青年将校生徒の素直な心意気と思われる。69年前の今日、故郷の稲荷神社境内の楠の木前で撮った、たった一葉の写真である。当時只管純粋に国の為に身命を果たす気慨になったと憶う。平和を享受する恵まれた現在の平和な日本に幸せを感じ、昔日の憶いを追想した。今朝はメイの散歩も暑さの為早目にに切り上げて、家の中でのボール投げに終始した。その後眼科で睫毛乱生の一本を抜いて貰い、投薬を受けて帰宅した。猛烈な暑さの為に防暑服を着て、脇や裏の木々の枝卸を2時間程実施した。綺麗に身軽になった柿や樫、そして山桃など。さっぱりした追慕と処暑の一日であった。