季節の推移は遅い様で早い。新年が明けてもう一カ月が経過して今日は二十四節気のうちの節分である。故郷ではこの日は、お不動様で2回に分けて節分追儺式が、午后3時と午後8時の2回行われる。松明に灯を点した赤鬼を先頭に、黒鬼と青鬼が続いて回廊を火の粉を散らして、堂内の鐘の音と共に駆け巡る大層な行事である。その鬼を目掛けて年男を始め観客が炒り豆を投げつける勇壮そのものの節分会である。各家庭では柊の枝葉の先にイワシの頭を焼いて突き刺したものを、戸口に飾って邪気を追散する行事が行われる。極めて情緒深い風物詩と言えよう。