皆夫々に春の香りや気配が濃くなって来た。公園に足を踏み入れると土の香りと柔らかさが、足下から体に登ってくる様な感じだ。雀が小石を啄み、鳩が三三九度禿げた芝草の斜面で、何かを拾って食べている。豊後梅の蕾が漸くに丸みを帯びて、木全体の枝枝が生き生きと空に向かって、突き出し、若芽を伸ばし始めている。ヒヨドリが夫婦で金切り声を挙げ乍ら、木の枝から枝を飛び回って敏感な飛翔を展開している。空には薄曇り乍ら、淡い雲が漂って消えそうで中々消えない。全てが早春の風物詩である。天気予報のうちの、ポイント情報は時に外れて、曇りが晴れに変化して来ている。それかあらぬか、丁度いま陽光が差し出て来たところである。7鉢ある君子蘭の寒さ防禦網(寒冷紗)も外して、これから鉢に土を補充して4月の開花の準備をしてあげようかと思う。精々発展の息吹が、動・植物の世界にも広がり始めたようである。これこそが春の息吹なのであろう。