マチンガのノート

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友罪 瀬々敬久監督 2018年

2018-10-30 23:49:09 | 日記
神戸の少年事件をモチーフにした映画だが、
劇中「抱え続けるしかない」というセリフが語られていた。
これまでは被害者の人権や遺族の心情などが取り上げられることがメインだったが、
このような映画が作られて、そのようなセリフが語られるのは
少年犯罪が減り続けても猟奇的事件が時折起きることや、
さまざまな犯罪予防策が行われても、ゼロにはならないことも、
理由の一つだろう。
以前は被害者と遺族が無視されていたのは、経済情勢のみならず、
中井久夫氏の言うように「冷戦時代は核爆弾がぶら下がっていた」というような、
日本国内でいくら議論しても変えられないことがあったことが大きかったのだろう。
さらには海外でのテロや紛争のことが、国内でもすぐに知ることが出来ることも
大きいのだろう。