ジャケットの写真から、コメディタッチの映画かと思って鑑賞しましたが、
扱っている内容は、結構シリアスなテーマでした。
主演の伊藤沙莉が、恵まれない家庭で育ち、親のはまっている宗教から行政に引き離されたその後も、
学校は居場所にならず、様々な所に居場所を求め、ヤンキー一家に身を寄せて暮らしたり、
サラリーマン家族に引き取られたりと、彼女なりに居場所を求めていくというストーリーです。
地方都市はかなり社会が崩れて行っているのだろうかと思わせる演出でした。
閉塞した地方都市の描き方と、その中で何とかやっていこうとする伊藤沙莉さんの演技がよかったです。
でんでんさんやアントニーもよかったです。
また、表面に顕れている思考の展開に働きかけようとする認知行動療法が、
いかに浅い考えに基づいていて、深い影響を与えられないかが、
よく解る映画でした。