マチンガのノート

読書、映画の感想など  

獣道 監督:内田英治 出演:伊藤沙莉 須賀健太 アントニー

2019-07-26 23:48:29 | 日記

ジャケットの写真から、コメディタッチの映画かと思って鑑賞しましたが、

扱っている内容は、結構シリアスなテーマでした。

主演の伊藤沙莉が、恵まれない家庭で育ち、親のはまっている宗教から行政に引き離されたその後も、

学校は居場所にならず、様々な所に居場所を求め、ヤンキー一家に身を寄せて暮らしたり、

サラリーマン家族に引き取られたりと、彼女なりに居場所を求めていくというストーリーです。

地方都市はかなり社会が崩れて行っているのだろうかと思わせる演出でした。

閉塞した地方都市の描き方と、その中で何とかやっていこうとする伊藤沙莉さんの演技がよかったです。

 でんでんさんやアントニーもよかったです。

また、表面に顕れている思考の展開に働きかけようとする認知行動療法が、

いかに浅い考えに基づいていて、深い影響を与えられないかが、

よく解る映画でした。

 

 


身体の聲 武術から知る古の記憶 光岡英稔

2019-07-26 23:24:56 | 日記

本書では、文化や気候、歴史、社会などにより、身体の在り方、捉え方も違ってくることが、

ハワイや中国での生活体験や、武術を教えた体験、習った体験を基に解り易く解説されている。

それぞれ日本とは大きく違う現地の事や、物事の捉え方が具体的に紹介されていて、解り易い。

それぞれ文化や歴史が違っていても、近代化とともに機械的、合理的な身体観に変化して、

それ以前のものが忘れられて、世代間ギャップ、断絶が生じることが解り易く解説されている。

漢字文化圏では稽古も型から入り、静的なとらえ方をするが、欧米の影響の強い地域では、

稽古の各段階を、重視せずに、流れの中の一部分として捉えているというのが

興味深かった。