本作では、人間のアクション映画のように、戦車がアクションをして、
撃ち合いをするというのが特徴である。
これまでになかった演出、作り方の映画である。
大きく重く、中に乗っている人には外が見にくい戦車を使って、
このようなアクション映画を作れるとは思わなかった。
カーアクション映画では、車はいろいろと動けても、車が銃や大砲を撃てるわけではないので、
こちらは戦車を使ったからこそ、独特の見ごたえのある映画になったのだろう。
宣伝の上から戦車二台を映した画像以上の躍動感のある映画になっている。
CGをうまく使った映画である。
主人公達の操縦するT-34に対して、ドイツ軍の3号戦車やパンサー戦車が相手。
主人公たちが望みのないような状況でも、結構冗談を言ったりしているところは、
ロシア映画によくある事なのだろうと思っていたが、
後から、「太陽に灼かれて」「12人の怒れる男」「戦火のナージャ」「遥かなる勝利へ」などを監督した、
ニキータ・ミハルコフがプロデュースしたことを知り、その影響も大きいのだろうと思った。
ロシア映画では史上最高のオープニング成績を残し、最終興行収入は40億円を超え、
800万人を動員したとの事である。
T-34がモスクワ攻防戦に投入されて、ドイツ軍の進撃を止めたことは、
いまでもロシア人に語り継がれているのだろう。
日本では、10月25日(金)から公開。