マチンガのノート

読書、映画の感想など  

街の人生/岸政彦 勁草書房

2019-07-06 23:17:20 | 日記

最後の章の釜ヶ崎へ来てから、ずっと土方をやっていた、と言う方の語りが興味深かった。

もともと終戦で大陸から引き揚げてきて、幾つかの職を経験して、溶接が上手かったので

それなりに余裕のある暮らしをしていたが、それまでになかったパチンコと言うものを経験し、

はまって借金を作って、釜ヶ崎へ来ることのなったとのこと。

それまでなかった依存性のある娯楽にはまったので、個人では対応が出来なかったのだろう。

土方と言うと、単純労働のような感じがするが、様々な事が出来る必要があるので、

不器用な人には無理な仕事との事である。

このような日本の復興を支えた人が、晩年に福祉マンションで暮らし、

最低限の暮らししか出来なかったことには、疑問が残る。

街の人生/岸政彦 勁草書房

 


21世紀の戦争と平和: 徴兵制はなぜ再び必要とされているのか 三浦瑠璃

2019-07-06 22:29:20 | 日記

美人×安全保障=EXILE?

徴兵制や軍隊などとなると、人から命令されて何かをやらされることに拒否感を持つ人たちが、

反射的に反発してきていることが、アマゾンレビューからうかがえる。

そんなに自分の事が大事なのだろうか?

それとも日常的に、自分が命じる側に立ってきたので、受け入れがたい事なのだろうか。

著者が「血のコスト」と言うように、軍隊や自衛隊などに行くと、死んだり重度の障害が残ったりと、

どれだけ報酬をもらっても割に合わないことに遭うことも多いだろう。

これまでは、原発作業員でも実態を見ず、建設作業員などでも多くの割合で使い捨てにしてきていたので、

それでは自らの命や体を危険にさらす人をどう位置付けるかについてが、

まだまだ議論されて来ていない事が大きそうである。

また、日本でも経済的徴兵制と言うものが何かと話題になっていたが、著者によると、

米国の貧困層には薬物依存や過度の肥満が多いために、軍隊に志願しても入れず、

米軍に志願して入れるのは、それなりに余裕があり公共心もある家庭の子供が多いとの事が

意外であった。

「21世紀の戦争と平和: 徴兵制はなぜ再び必要とされているのか」 三浦瑠璃