カドブンというサイトで、東畑開人さんが、信田さよ子さんの
本の内容に結構驚いています。
東畑開人さんは、中学受験をして、親に京都の大学へ行かせてもらったという経歴の方なので、
DVや依存症の問題がある家庭の友人が周囲に居なかったのでしょう。
大学や大学院でそれらのものを知識として知っても、実際に自分に関わることでなかったので、
どれだけ大変なものかは想像もつかなかったのでしょう。
ある程度、臨床の経験を積んだので、それについて解ってきたのでは無いでしょうか。
大学の心理センターでは人が育ちにくい、という教員の意見を聞いたことがあります。
普通の知的で経済的な問題もない家庭の不登校のケースばかり持ち込まれるのでしょうか。
中井久夫氏も、三世代くらいの事を考えて患者さんの事を診ているとの事を、
何かで書いていました。
中井久夫氏が様々な近現代史や戦争のことを著書で取り上げているのも、
それだけ自分の診ている患者さんに関係があったからなのでしょう。
信田さよ子さんの新著は「家族と国家は共謀する サバイバルからレジスタンスへ」
というタイトルです。
未読ですが、「サバイバルからレジスタンスへ」というところがいいと思いました。
一つの章のタイトルの「心に砦を築きなおす」というのは、中井久夫氏の言う、
「拒否能力」とも通じていそうです。
以前の臨床心理が不登校についていろいろと取り上げていたこともあり、
学校どころではない家庭に関心を持つ人は少なかったようです。
最近、ルポライターの鈴木大介さんの書いた小説「里奈の物語」が、
コミック化され文春オンラインで「アンダーズ:里奈の物語」として
連載されています。