津村記久子さんが2005年に第21回太宰治賞を受賞したデビュー作『君は永遠にそいつらより若い』を
吉野竜平監督が映画化したものです。
【あらすじ】
大学生のホリガイ(佐久間由衣)は児童福祉司としての就職も決まり、あとはアンケートを集めて
それをもとに卒論を書くだけなので、何となく日々を過ごしていました。
ある日、アンケートに協力してくれるように頼んだ相手から、代わりに授業に出て
ノートを取って来るように頼まれ、そこでイノギ(奈緒)という女子学生と知り合いになるのでした。
【感想】
太宰治賞受賞作を映画化したものなので、内容の深い映画でした。
主演の佐久間由衣さんは、全体的にのっそりとした感じで演じていますが、
最後に児童福祉司として訪問対象の家に臨むシーンでは、凛とした表情をしていました。
背の高さをうまく演技に活かしていると思いました。
ある程度恵まれた生育歴で、それ以外は知らなかった主人公が、ふとしたことから
それ以外の家庭などの事に関わり、成長していく映画です。
なにか大きな設定やトリックなどを使わなくても、深くていい映画ができる見本になっています。
何かとキャリアパスや目標を持つ人は多いでしょうが、多くの場合は偶然の関わりで
それまで考えていなかった事を始める人が多いのでしょう。