近未来の北朝鮮・韓国国境の地下通路を舞台に展開するアクション映画です。
【あらすじ】
米国CIAから、南北軍事境界線の地下にある通路から北朝鮮の高官を連れて帰ることを
請け負ったPMC(民間軍事会社)の隊長エイハブ(ハ・ジョンウ)達ですが、
隊員のほぼ全員が米国在住の不法移民で構成されているのでした。
そして任務に備えて準備していると、知らされていた場所に来たのは北朝鮮高官ではなく、
最高指導者なのでした。
米国側は高官から核施設の場所を聞き出して、米軍を使って非核化する意図でしたが、
それを知った中国側は、彼らが最高指導者を殺害したことにして、自分たちで北朝鮮を
乗っ取ろうとするのでした。そのため隊員たちと最高指導者をまとめて抹殺するため
他のPMCの多数の部隊を送り込んでくるのでした。
エイハブたちは最高指導者の護衛を排除して連れて帰ろうとしますが、
北側から中国に雇われたPMCの部隊が迫ってきます。
米国側も事態が上手くいかなさそうなのを知ると、空爆して自分たちが関与した証拠を
消そうとするのでした。
【感想】
不法移民のことから米国の選挙、北朝鮮を巡る各国の様々な思惑までたくさん盛り込んだ内容です。
戦闘シーンなどはしっかり作り込んでいますが、最初から個別に描くにはPMC隊員の人数が多く、
物語もいろいろ展開が変わって来るので、何かと分かりにくさがありました。
それでもいろいろと拡げた話をしっかりまとめているのは監督の力量でしょう。
「哀しき獣」で泥臭い血塗れの役をしていたハ・ジョンウさんですが、今回は元韓国空挺隊将校の
役をうまく演じていました。
米国在住の不法移民である隊員の仲間達をなんとか生きて連れて帰ろうというところは、
戦後に米国に多くの移民を送り出した韓国ならではの展開でしょう。
作戦機材として出てくる大型モニターをうまく使った演出になっていて、
二転三転する状況を解りやすく映像化していました。
劇中に出てくる床や壁を伝って動くボール型のコロコロドローンが良かったです。
『PMC:ザ・バンカー』予告編