20年ほど前には柳美里さんが売れていて、自著の中で御自身の成育歴についても書いておられました。
それによると父親はパチンコ屋さんの釘師で、職業柄かなりの収入があったのですが、家庭に入れないので、
母親がキムチを作り橋で売ったり、庭で鶏を飼い、それをさばいて食べていたとのことでした。
母親は裕福な人に憧れ、柳美里さんを有名私立校に入れようとしていたとのことです。
小説『ゴールドラッシュ』が話題になり、故・河合隼雄さんも注目していたようでした。
対談が何かに載っていた記憶があります。
代表作『ゴールドラッシュ』の主人公というと、パチンコ屋で儲けた家の子供で、大きな家にすみ、地下室もあるという
設定でした。柳美里さんが子供の頃は、御自身の周りにもパチンコ屋さんや飲み屋さんをして、
結構儲けた人が居たのでしょうか。
最近話題になっている『黄色い家』などを書いた川上未映子さんの小説に出てくる主人公というと、
母親がスナックのホステスで、父親はおらず、子供と古くて狭いアパートに住むというものが多いようです。
御本人もその様な暮らしの中で育ったのでしょうか。
柳美里さんの子供時代とは貧しさのレベルが違ってきている感じです。
その時代に売れる女性作家の背景がかなり違ってきているようです。