マチンガのノート

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ふつうの相談 東畑開人 金剛出版 感想 2

2023-10-16 16:41:14 | 日記

著者の東畑氏は京大の大学院で臨床心理学を学んだが、就職した沖縄の診療所のデイケアでは、

大学で学んだような定期的に会い続けてカウンセリングをするというようなことはあまりなく、

デイケアでする事や関わり方を周囲から学び、それがどの様な影響を利用者さんに与えているのかを、

見てきたことがその後に繋がったのだろう。

 

 

居るのはつらいよ | 書籍詳細 | 書籍 | 医学書院

 

 

本書の冒頭で出てくる「クマのような看護師」というのも多分そこの人で、日常関わりながらいかに接していくのが

いいのかの見本になったのだろう。

 

診療所にしても保健所にしても児童福祉施設にしても、定期的にカウンセリングをするなどより、

それ以外のことで関わることの方が大きな割合を占めていて、影響も大きそうである。

大学の相談室に来る人は、それなりに時間やお金に余裕のある人が多いが、それ以外のところでは

そうではない人が多いというのは、意外と教員などでも知らない人が多いのかもしれない。

そのようなことを考えると、本書は良い案内書になりそうである。


ふつうの相談 東畑開人 金剛出版 感想

2023-10-16 00:53:15 | 日記

京都大学教育学部で臨床心理学を学んだ後、沖縄の診療所のデイケアで働き、その後大学教員を勤め、

現在は自らの相談室で臨床をしているという幅広い体験を基にした東畑開人さんの最新作です。

臨床心理学のみならず、医療人類学などの数多くの専門書を引用しつつ、日常生活での相談や、様々な臨床現場について考察し、

それぞれがどの様な役割を果たしているのかを、解りやすくまとめて解説した内容になっています。

多くの専門書のような、特定の学派や立場からの考察ではなく、日常から派生してゆく様々なサポートや治療を考察し、

それぞれがどの様に機能しているのかと、その長所と短所について、解りやすく解説した一冊です。

心理士のみならず、PSWや福祉職や看護師が自らの仕事に関して、社会の中にどのように

位置づけるのかの、参考になる内容でした。