発達障害の人は直ぐに仕事を辞めたりすることがありますが、そのようなことは、
周囲と未分化なことで起きるようです。
周囲との境界が曖昧なので、言われたことを自らの内部で考え吟味してどうするかを決めてから
行動するということが難しいので、言いなりになって行動していて、人に動かされているという
感覚を持つ事が大きな要因だと思います。
人に動かされているという感覚が苦しいのは当然ですが、言いなりになって行動しているので、
物事の優先順位がつけられず、適切に行動できないということも辛いことなのでしょう。
そのような人に周囲ができる事としては、日常の様々なところで境界に関することを
タイミングを見て考えさせることで、周囲との境界を作っていくことなどがあります。
数字などのはっきりしたものを素材にして考えさせると良さそうです。
以前よく取り上げられていた摂食障害の「母子カプセル」などの場合、母親の価値観に合わせ、
そのように行動するのでしょうが、発達障害の人の場合、そのような価値観を取り入れる
相手が居なかったのでしょう。
哲学者のジュリア・クリステヴァさんは、摂食障害の臨床で主体の問題について考察したのでしょうか。
主体の問題は時代と共に変化するので、歴史の知識も参考になりそうです。