マチンガのノート

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生成と消滅の精神史 終わらない心を生きる  下西 風澄 文藝春秋 感想 その3

2023-03-29 22:39:26 | 日記

古代ギリシャにおいては、神々の名や教訓、歴史などを継承するために詩というパターン記憶や、

演劇という身体的記憶を使っていましたが、それはその内容と一体化するものなので、

その内容を論理的に思考するものでも、知識の意味を考えることでもなかったので、

プラトンは詩人と哲学者を峻別し、詩人は模倣を促すものとして追放していったとのことです。

 

このあたりに関しては、臨床で子供がごっこ遊びをするようになれば、かなり良くなってきたと見ていたという、

精神科医の織田尚生氏の著述を思い出すところです。

 

 

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主体が生成する前段階として、かなりのパターン記憶や身体的記憶が必要なのでしょうが、

自分がどうやって母語を身に着けていったのかを覚えている人がいないように、

それを覚えていない事がほとんどなのでしょう。

何かと発達に遅れや偏りがある子どもが増えているようですが、日常的に身体的な遊びをすることが

減ってきたことで、身体的記憶の積み重ねが減ったことが関係していそうです。

 


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