本書において、愛着障害でも発達障害でも、理解力の偏りなど様々な特性は、知覚統合の弱さなど、本人内部のことに
由来するとされていますが、親などが暴力を振るったり、過干渉などの不適切な関わりをすると、
本人が自ら何かをするのではなく、周囲の影響で何かをさせられるということに繋がり、
自らの感覚や感情などを無視して行動するので、そのことが様々な不器用さや理解の偏りに繋がるケースも多いと思います。
親などが子供に暴力を振るっていると、子供は麻痺状態になるので、そのような家庭では、
子供は周囲から何かをさせられ続けるというケースも結構あると思います。
そのようなことを防いだり改善するには、外部の専門家が、親子のあいだに様々な境界を作らせることが
必要でしょう。
本書で取り上げられているケースは、ある程度普通の、子供を気にかけ心配する親のケースが
取り上げられていますが、子供のことを考えずに、一方的にあれこれさせようとする、
親も結構いますが、そのあたりについては取り上げられていませんでした。
臨床においては愛着障害と発達障害にPTSDも重なっている症例も多いのでしょうが、
そのようなことに関しては、医療よりもまず児童福祉が関わる方がいいのでしょう。