マチンガのノート

読書、映画の感想など  

「愛着障害」なのに「発達障害」と診断されるひとたち 岡田尊司 幻冬舎新書 感想

2024-04-14 23:32:34 | 日記

本書において、愛着障害でも発達障害でも、理解力の偏りなど様々な特性は、知覚統合の弱さなど、本人内部のことに

由来するとされていますが、親などが暴力を振るったり、過干渉などの不適切な関わりをすると、

本人が自ら何かをするのではなく、周囲の影響で何かをさせられるということに繋がり、

自らの感覚や感情などを無視して行動するので、そのことが様々な不器用さや理解の偏りに繋がるケースも多いと思います。

親などが子供に暴力を振るっていると、子供は麻痺状態になるので、そのような家庭では、

子供は周囲から何かをさせられ続けるというケースも結構あると思います。

そのようなことを防いだり改善するには、外部の専門家が、親子のあいだに様々な境界を作らせることが

必要でしょう。

 

本書で取り上げられているケースは、ある程度普通の、子供を気にかけ心配する親のケースが

取り上げられていますが、子供のことを考えずに、一方的にあれこれさせようとする、

親も結構いますが、そのあたりについては取り上げられていませんでした。

臨床においては愛着障害と発達障害にPTSDも重なっている症例も多いのでしょうが、

そのようなことに関しては、医療よりもまず児童福祉が関わる方がいいのでしょう。

 

 

 


アイアンクロー 監督 ショーン・ダーキン 出演 ザック・エフロン ジェレミー・アレン・ホワイト ハリス・ディキンソン 感想 ネタバレ

2024-04-13 23:12:43 | 日記

’60年代から70年代にかけてプロレスラーとして活躍した、フリッツ・フォン・エリックの家族を

描いた映画です。父親のフリッツは初期はドイツ出身の悪役レスラーとして活動していましたが、

途中からは善玉レスラーとして活動していたとのことです。

出演者のプロレスラーらしい身体やプロレスシーンがしっかり作られていています。

エリック家の兄弟たちは筋骨隆々ですが、内容はそのイメージとは違い人間ドラマでした。製作はA24 です。

【あらすじ】

プロレスラーであるフリッツ(ホルト・マッキャラニー)は、かなり有名になったのですが、

NWAチャンピオンになれなかったこともあり、プロモーターをしながら息子たちもプロレスラーにしようとします。

息子たちもプロレスラーを目指しますが、次々と一家を悲劇が襲うのでした。

【感想】

タイトルとポスターから、熱血スポ根もののような感じを受けましたが、内容はシリアスな人間ドラマでした。

兄弟たちは父親譲りの才能で、ある程度の成功を収めますが、次々と悲劇に襲われます。

それにはプロレスラーとして売れるために必要なことが関係しているところが色々考えさせられました。

体に大きな負担を掛けることが必要とされる仕事の大変さが解るところです。

ケビン役のザック・エフロンの演技が印象に残る映画です。

ケビンがプロレスというショービジネスから離れることで、悲しみを表に出せるシーンが印象的でした。

映画『アイアンクロー』予告編


うさぎのおやこ 監督 上西雄大 出演  徳竹未夏 清水裕芽 古川藍 華村あすか 萩野崇  上西雄大 感想

2024-04-07 19:01:13 | 日記

最近ハマっている上西雄大さんプロディユース・脚本・監督の映画ということでシネ・リーブル梅田まで

観に行きました。

【あらすじ】

軽度の知的障害を持ち小柄なため子供に間違えられる事の多い22才の女性、来栖玲[あきら](清水裕芽)と

精神障害を抱える母親の来栖梨加(徳竹未夏)ですが、母親の梨加は家賃を滞納しているなど、経済的に困窮しているため、

娘の玲に22才なのだからと働くように言った結果、玲は風俗店に面接に行くのでした。

【感想】

いろいろな障害を抱えた人やその周囲の人に経済的に余裕がないと、いかに大変なのかがよく判る内容でした。

行政や医療が頑張っても、そのような問題への支援はなかなか難しいのでしょう。

トー横キッズなども、食い物にしようとしている様々な人がいるのだろうと思いました。

解決方法の見えない問題を扱った本作ですが、上西雄大さんは精神科医役を軽めに演じていました。

 

シネ・リーブル梅田 | 様々なジャンルの良質な映画を幅広い世代へ提供する映画館

梅田にあるテアトルシネマグループの映画館 シネ・リーブル梅田のウェブサイトです。大阪でも指折りの観光名所 梅田スカイビルの3・4Fに4スクリーンを構え、世界各国の話題の...

シネ・リーブル梅田

 

うさぎのおやこ90秒予告

 

 


行動の動機の移行について

2024-04-07 09:36:58 | 日記

親から世話されたり、何かを教わったりすることなく、親から暴言や意味不明の暴力にさらされ、

親に何かを聞いても意味の通らないことばかりが帰ってくると、親や周囲から何かを言われたときなどに、

言いなりになるようだ。自他境界が曖昧で、言いなりになり周囲にやらされている部分で動いていると、

自己の内的感覚を無視して行動するようになり、そのことでさらに内的感覚を感じにくくなるので、

周囲のことで何かを感じたりしても、自らの内的感覚を無視して行動するので、空気を読まないで行動するなどに繋がるのだろう。

何かをする動機が、自己の感覚や思考に基づくものから、他人の言ったことに移行するのだろう。

そのことから、〇〇療法などといったやり方が決まっていることに、愛着が未成立など発達につまづきのある人が関わると、

周囲にやらされる部分が強化されるので、悪影響を及ぼすことが多いのだろう。

発達障害とされる人について、何かと先天的な要因が仮定されているが、それ以外の部分も大きいのだろう。

 

日本ユング心理学会 | ユング心理学研究