駅前にある修理屋さんでパンプスのヒールのゴム部分の交換をしてもらい、ある日の朝、新しいヒールで家を出て歩くこと30秒。
ヒールの音が急に変わり、「あれっ、何か変?」と思って靴を見たら、見事に交換した部分が取れていました。
「なんだよ~(怒)」 と朝から気分最悪!仕方がないのでそのまま会社まで行ったけど、その間ず~っと気分悪っ!
「履いて30秒はないんじゃない」と、頭に来て、その日の夜にもう一回修理屋さんに行って、惨状を訴えました。
当然、交換してくれるはず、というつもりで話をしたら、あろうことかその店の店員は、
「これはうちの過失ではないので、直りますけど、再度お支払いただきますが、どうしますか?」 とのたまいやがった。
「はぁ、でも30秒しか歩いてないんですよ。それで取れたのにお宅の過失ではないんですか?」
「ですから、ヒールの交換には……」と部品を持ってきて、自分の過失じゃないとぐだぐだ説明を始め、一言も謝らないその態度にますますむかついた。
「そうですか?お宅の過失じゃないっていうんですね。こちらの本社はどこですか?」
「本社はここです。私が経営者です」
「…… (怒り心頭)、そうですか、もういいです」
『もういいです』 とは言ったものの、あんまり頭に来ておさまりきらない。
どうやって復讐してやろうか、HPに投稿してやろうかと思って探したら、HPがない。
こうなったら消費者センターに言いつけてやる、それか商店街の管理組合に苦情申し立てしてやる。
いろいろ画策しながら、毎朝その店の前を通るたびに、キッと睨みつけて、『みなさ~ん、この店最悪ですよ、絶対やめた方がいいですよ』
と心の中で叫びながら、むなしい一人芝居をしてみたけど、全く意味なし!ばかばかしい。
どうやってこの怒りに折り合いをつけようか…、と思いながら1週間。
とりあえずこの靴を履ける状態にしよう、と思って別の修理屋に持っていったら、驚くべきことが起こりました。
なんと、無料で修理してくれたのです!
予期せぬ展開に、「えっ???」と、驚く私をよそに、「取れちゃったんでしょ、料金いいから」 とにっこり笑って、
別の作業に取り掛かかるオジサンの頭の上に後光が差しているのが見えました。
あんまり感動したんで、ケーキでも持っていっちゃおうかと思いましたよ。
それにしても、何たる対応の違い!
自分が修理した靴じゃないのに、ただで修理してくれるオジサンと、自分が修理した靴なのに、もう一回金払えというインチキ修理やの店主。
「そんなつまんないことでいつまでも怒っているのはおやめなさい、私が直してあげたから」 と後光のオジサンが思ったのかどうかは分からないけど、
捨てる神あれば拾う神あり。
やっぱり明日ケーキ持っていこうっと。