徒然なか話

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アイドル

2022-08-13 21:40:02 | ドラマ
 一昨日、NHKで特集ドラマ「アイドル」という番組を放送していた。昭和初期から戦後間もない頃までの20年弱、新宿角筈に存在し、軽演劇やレビューで一世を風靡した「ムーランルージュ新宿座」のトップアイドルとして活躍した明日待子の半生を描いたドラマだった。見ながら僕は11年前の思い出を振り返っていた。
 それは2017年に他界された「評伝 海達公子」の著者規工川祐輔先生に、公子物語の映像化を提案し、いろいろアドバイスをいただきながらスライドムービー化したことがある。脚本作成に当たっては規工川先生の著書のほかいろんな資料を調べたり関係者に聴き取りしたりした。特に興味を持ったのは、著書の中に、公子が昭和7年に、大牟田に巡業に来たムーランルージュの舞台を観に行ったという記述があり、ムーランルージュの舞台を見たことが公子に少なからぬ影響を与えたと記されていたことだ。天才詩人と謳われた公子は体育面でも能力を発揮していて、同級生の話ではダンスの腕前は際立っていたという。僕は公子が何を感受したのかを確かめるべく、ムーランルージュ大牟田公演の開催日や開催場所、演目、出演者などを調べたことがある。大牟田の劇場関係の方の話では、昭和7年といえば、大牟田は炭鉱景気で栄えていた頃で、劇場もたしか三つくらいあったはずだと言っておられた。しかし、それ以上のことはわからなかった。
 ともかく、公子物語のムービーは完成し、友人知人にご案内をして試写会を開くことになり、熊日新聞も取材に来ていただいた。
 僕がそんなことをやっていたちょうどその頃、記録映画「ムーランルージュの青春」が公開された。熊本でも電気館さんあたりがやってくれないかと期待していたが、結局見るチャンスを逃した。それっきり、この記録映画のことは忘れていたが、今回のテレビドラマをきっかけに一度見ておきたいと思った。レンタルビデオが出ているはずなので近いうちに探してみよう。


【特集ドラマ】アイドル