飄(つむじ風)

純粋な理知をブログに注ぐ。

不思議な少年!! その14

2009-03-13 12:16:33 | 物語

ヨハネ、マセノによる教訓を受ける!! 


 マセノによる教訓は、至極、真っ当なものである。赦罪とは、他からに依るものではない。省察力により、自らの過ちを悔い改める事によって、自らが清められるところから赦されるとある。バステスマのヨハネの真骨頂が、ここで確立する。


 洗礼とは、清めの事である。神道で言えば、「お祓い」と同義であろう。しかし、単なる形式で良いものではない。心底からの反省と、懺悔でもって行われなければ本当の洗礼ではない。そうして、内からの清めが行われる。それが罪の赦しである。


 それは、心の内面からの赦しのエネルギーが心を清め、温めるのである。


 エリサベツは幸福であった。彼女はヨハネと共に生活し、エリフとサロメに教えられた教訓をその子に授けた。

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 ヨハネは野生的な家庭生活が気に入り、自分の学んだ教訓を喜んだ。野山には洞窟が多く、ダビデの洞窟が近く、エンゲジの隠者がそこに住んでいた。この隠者はエジプトのサカラの宮から来た、エジプトの僧侶マセノであった。


 ヨハネ七歳の時、マセノは彼を荒野に連れて行き、ダビデの洞窟に一緒に住んだ。マセノの教えにヨハネは深く心を注いだ。マセノは毎日人生の秘密をヨハネに打ちあけた。


 ヨハネは荒野を好み、師と質素な食事が気に入った。そのたべものは果実、堅果(ナット)、野蜜、いなご豆などであった。


 マセノはイスラエル人で、ユダヤのすべての祭礼に参加した。ヨハネ九歳の時、マセノはエルサレムの大祭に初めて彼を連れて行った。アケラオは悪辣(あくらつ)な王で利己的で残忍な性質であったので、王位を退けられて遠国に追放された。それでヨハネは恐れる者がなくなった。


 ヨハネはエルサレム行きを喜び、マセノはユダヤ人の礼拝などについて残らず彼に語り聞かせ、犠牲や儀式の意味を説明した。しかしヨハネは神の前に鳥獣をほふって焼くことが、どうして罪のゆるしになるか分からなかった。


 マセノは言った、「天地の神は犠牲を求めない。このむごたらしい儀式を行う慣例(ならわし)は、他国の偶像崇拝者から借りて来たものだ。どんな罪でも決して鳥獣や人問を儀牲にしたとて消滅しない。罪とは人問が悪の泥沼(どろぬま)に飛びこんだのであり、もし人が罪からのがれようと思うなら、その辿ったもとの道に引き返して、悪の泥沼(どろぬま)を脱出する方注を講じなけれぱならぬ。再び辿った道に戻って行って、愛と正義で心を清めれぱ赦される。これが先駆者なるものが人々に伝うべき使命の要旨である。」


 ヨハネは尋ねた、「赦しとは何ですか。」


 マセノ、「これは負債の消却と言うもの。他人をそこなう人は悪事をつぐなうまでは、決して赦されない。吠陀(ヴェダ)経は悪を犯した者以外に悪をつぐなうことは出来ないと言っている。


 ヨハネ、「もしこれが本当なら、自分自身の力以外に赦す力はどこにありますか。人間は自分を赦すことが出来ますか。」


 マセノ、「戸はあいている。君は人間が正道に立ち返る道と自分の罪の赦しを見る。」


 


【宝瓶宮福音書:栗原 基訳】


第四部 先駆者ヨハネの子供時代と初期の教育



第十三章 エンゲジのエリサベツに教える。子ヨハネを教える。マセノ、ヨハネに罪悪の意味と赦罪の律法を教える。


1)エリサベツは幸福であった。彼女はヨハネと共に生活し、エリフとサロメに教えられた教訓をその子に授けた。

2)ヨハネは野生的な家庭生活が気に入り、自分の学んだ教訓を喜んだ。

3)野山には洞窟が多く、ダビデの洞窟が近く、エンゲジの隠者がそこに住んでいた。

4)この隠者はエジプトのサカラの宮から来た、エジプトの僧侶マセノであった。

5)ヨハネ七歳の時、マセノは彼を荒野に連れて行き、ダビデの洞窟に一緒に住んだ。

6)マセノの教えにヨハネは深く心を注いだ。マセノは毎日人生の秘密をヨハネに打ちあけた。

7)ヨハネは荒野を好み、師と質素な食事が気に入った。そのたべものは果実、堅果(ナット)、野蜜、いなご豆などであった。

8)マセノはイスラエル人で、ユダヤのすべての祭礼に参加した。

9)ヨハネ九歳の時、マセノはエルサレムの大祭に初めて彼を連れて行った。

10)アケラオは悪辣(あくらつ)な王で利己的で残忍な性質であったので、王位を退けられて遠国に追放された。それでヨハネは恐れる者がなくなった。

11)ヨハネはエルサレム行きを喜び、マセノはユダヤ人の礼拝などについて残らず彼に語り聞かせ、犠牲や儀式の意味を説明した。

12)しかしヨハネは神の前に鳥獣をほふって焼くことが、どうして罪のゆるしになるか分からなかった。

13)マセノは言った、「天地の神は犠牲を求めない。このむごたらしい儀式を行う慣例(ならわし)は、他国の偶像崇拝者から借りて来たものだ。

14)どんな罪でも決して鳥獣や人問を儀牲にしたとて消滅しない。

15)罪とは人問が悪の泥沼(どろぬま)に飛びこんだのであり、もし人が罪からのがれようと思うなら、その辿ったもとの道に引き返して、悪の泥沼(どろぬま)を脱出する方注を講じなけれぱならぬ。

16)再び辿った道に戻って行って、愛と正義で心を清めれぱ赦される。

17)これが先駆者なるものが人々に伝うべき使命の要旨である。」

18)ヨハネは尋ねた、「赦しとは何ですか。」

19)マセノ、「これは負債の消却と言うもの。他人をそこなう人は悪事をつぐなうまでは、決して赦されない。

20)吠陀(ヴェダ)経は悪を犯した者以外に悪をつぐなうことは出来ないと言っている。

21)ヨハネ、「もしこれが本当なら、自分自身の力以外に赦す力はどこにありますか。人間は自分を赦すことが出来ますか。」

22)マセノ、「戸はあいている。君は人間が正道に立ち返る道と自分の罪の赦しを見る。」


【原文:The Aquarian Gospel of Jesus by Levi H. Dowling  


SECTION IV<o:p></o:p>

DALETH<o:p></o:p>

Childhood and Early Education of John, the Harbinger<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

CHAPTER 13<o:p></o:p>

Elizabeth in Engedi. Teaches her son. John becomes the pupil of Matheno,
who reveals to him the meaning of sin and the law of forgiveness.
<o:p></o:p>

ELIZABETH was blest; she spent her time with John, and gave to him the lessons that Elihu and Salome had given her.
2) And John delighted in the wildness of his home and in the lessons that he learned.
3) Now in the hills were many caves. The cave of David was a-near in which the Hermit of Engedi lived.
4) This hermit was Matheno, priest of Egypt, master from the temple of Sakara.
5) When John was seven years of age Matheno took him to the wilderness and in the cave of David they abode.
6) Matheno taught, and John was thrilled with what the master said, and day by day Matheno opened up to him the mysteries of life.
7) John loved the wilderness; he loved his master and his simple fare. Their food was fruits, and nuts, wild honey and the carob bread.
8) Matheno was an Israelite, and he attended all the Jewish feasts.
9) When John was nine years old Matheno took him to a great feast in Jerusalem.
10) The wicked Archelaus had been deposed and exiled to a distant land because of selfishness and cruelty, and John was not afraid.
11) John was delighted with his visit to Jerusalem. Matheno told him all about the service of the Jews; the meaning of their sacrifices and their rites.
12) John could not understand how sin could be forgiven by killing animals and birds and burning them before the Lord.
13) Matheno said,
The God of heaven and earth does not require sacrifice. This custom, with its cruel rites, was borrowed from the idol worshippers of other lands.
14) No sin was ever blotted out by sacrifice of animal, of bird, or man.
15) Sin is the rushing forth of man into fens of wickedness. If one would get away from sin he must retrace his steps, and find his way out of the fens of wickedness.
16) Return and purify your hearts by love and righteousness and you shall be forgiven.
17) This is the burden of the message that the harbinger shall bring to men.
18) What is forgiveness? John inquired.
19) Matheno said,
It is the paying up of debts. A man who wrongs another man can never be forgiven until he rights the wrong.
20) The Vedas says that none can right the wrong but him who does the wrong.

21) John said,
If this be true where is the power to forgive except the power that rests in man himself? Can man forgive himself?
22) Matheno said,
The door is wide ajar; you see the way of man's return to right, and the forgiveness of his sins.【続く】