図書館で借りてきました。
想定外の老年
曽野綾子著
2013年出版の比較的新しい本です。
雑誌に2011~2012年まで連載されたエッセイをまとめたものでした。
その時々の大きな事件についても書かれています。
震災、中国新幹線の事故など。
震災は別として、それぞれの事件の背景を探っていて
とても興味深い内容です。
タイトルの「想定外の老年」は最終章に書かれていました。
思いっきり短くまとめると
「日本は経験のない高齢化社会になり
今まで学んだことのないものが必要になってきた。
それは、年よりの義務、あるいは生き方の技術である」
「高齢であること」を絶対の強みにして自分勝手に
してはいけないといっているように受け取りました。
その部分ではちょっと実感があります。
以前の職場では訪れる人がほとんど60歳以上という場所でした。
70代後半でもみなさんお元気で、それはいいのですが
「高齢だから仕方ない、高齢だから何とかして」という空気が
蔓延していて、こちらでも「高齢の人にこんなことを言うのはどうか」と
遠慮がちになるものだから、お年寄りのパラダイスみたいになってました。
でもね、あえて言わせてもらいますが、
そこまで高齢になったんだから、少しは知恵を使って下さい。
戦争を経験した!と威張るんだったら、その時と今を比べたら
あらゆる面で文句なんかないでしょう。
もちろん全員とはいいませんが、 「慎み」というものを
どこかに忘れてきてしまったお年寄りがあまりにも多かった。
というより、年よりだからと開き直ったかのような人が多かった。
歳をとっても幸運にも大きな病気がなく多少の趣味を楽しむことが
出来るくらいの環境だったら、「譲り合う」とか「慎む」という
余裕を持って暮らしていきたい。
できれば、病気になってもそのくらいはがんばりたい。
(社会貢献もしたいけどね)