昨日ヤフーニュースを見てびっくり!
岸見一郎さんのアドラー心理学の本 「嫌われる勇気」がドラマ化される
というニュースが出ていました。
え~!!!あの哲学的な内容をどのようにドラマにするのか。
記事を読んでみますと、
主人公は人に嫌われるのを厭わない女性刑事、周りを気にする若手刑事もいて
心理学の大家もいて、事件を解決しながら
「人に嫌われる勇気を持てば悩みから解放される」ということを説いていくそうです。
私は見ないと思います。
アドラーは悩みからの解放を目指したのではなくて
「今をより良く生きる」ことを目指したと思うからです。
悩みを手放すのはその一つの手段であり、幸せになる一番の手段は「他者貢献」と言っています。
まだ、ドラマが出来てもいないのに文句付けてるってどうかとは思いますが。
女性刑事は「一匹オオカミ的存在」とありますので、そこからアドラー心理学とは離れていると感じます。
アドラーは 「すべての悩みは人間関係の悩み」と言っており、
「一匹オオカミ」は人間関係を否定している訳ですから、お手本にはならないはずです。
アドラー心理学は人とのかかわり方を示している点で、ホームドラマに合うのではないでしょうか。
昔の「肝っ玉かあさん」「ありがとう」路線はいいと思います。
あれはあのままでも心理学的にもよかったかも。
(↑ 再放送で見ている人)
記憶に残る場面
「肝っ玉かあさん」でも嫁姑問題が起きており、そこに近所の新婚さんが訪ねてきて
「お義母さんとは嫁と姑だから仲良くなれない」と泣きます。
肝っ玉母さんは「それは違う、そんな悲しいことを言ってはいけない。
嫁姑だからダメなのではなくて、人間同士だから理解し合うまで時間がかかるだけ。
私たちもいろいろな思いをして理解できるようになった。ねえ あやさん(お嫁さん)」
このあと、新婚さんは努力するのですが、それほどうまくはいきません。でもちょっと前進。
心理学はその程度の物だと思います。お互いに事情がありますから。
心理学を知ったからと言って、あまり変わることはないし、颯爽とすることもできないのですが。
肝っ玉母さんの家は蕎麦屋で、従業員が5人!、息子夫婦、娘が同居で、いつも問題が起きます。
肝っ玉母さんは言うことは言います。 (結構はっきり言う)
けんかしている夫婦には 「そんなお嫌なら、離婚なすったらいいじゃありませんか」と
サラッと言い、反対に「おばさん、そりゃないでしょう」とけんかどころじゃなくなる。
肝っ玉母さんは、当人の本当の気持ちを察しているんですね。
心理学者顔負けですが、これはある種の思いやりかなと私は考えています。
ドラマを見ると、「アドラーといえども肝っ玉母さんにはかなわないんじゃないかな」と思いますね。
アドラー心理学は日常にちりばめられているので、このような肝っ玉かあさんを
主人公にして、現代人の悩みを軽くするような話のほうがいいのではないでしょうか。
(↑ テレビ局にメールしようか・・・)
ドラマを見た人に誤解されないように作ってほしいと願います。
決して「嫌われるのを厭わない」ことを目標にしているのではなくて
「嫌われることを恐れるあまり自分を見失わない」ことが目標なのだということを。
颯爽とした一匹オオカミの女性刑事か・・・・。
やっぱり見ないと思います。