我が家から車で40分ほど行くと匝瑳市(そうさし)八日市場と言う所に「松山庭園美術館」があります。
ここは、此木三紅大(コノキ・ミクオ)氏のアトリエでもあり、美術館でもあり、庭園の中に野外彫刻もある素晴らしい場所です。
「秋の紅葉が良いですよ」と以前言われたのを思い出して行くことにしました。
庭園は京都の庭を思わせる素晴らしい庭でもあり、そこにユーモラスな彫刻がマッチしているのも不思議です。
丁度「お茶会」開かれていて和服姿の婦人が大勢います。一瞬京都に居る錯覚を覚えました。
今回の「少年・コノキ展」は彼の少年時代に描いた絵画の展覧会ですが幼い時から絵を描くことに没頭していたそうです
私が感動したのは彼の言葉です。
「上手く描けてはいるがすぐに忘れてしまうような感動のない絵が巷にあふれ出した。そんなことをやっているといずれ賞が欲しくなり名誉が欲しくなり、人の上に昇りたくなる。そうならないと世間は認めないし絵は売れないのだ。画商に煽てられ客が喜ぶような絵を要求されて翻弄された挙句預けた絵は戻ってこない。つまらぬことが多いものです。満たされすぎて何かを失ったような今の時代、夢を持つこと、純粋にひたむきに生きること、その尊さを思い起こさせる少年時代の作品を前にして今あらためて、何事にも真剣で、謙虚であり絶対に威張ったりしないで物をいつも初めて見るように見、良い絵を描こうなどと気負わずに自由に楽しく面白く絵を描きたいものだと思っています。」
彼の言葉には感動します。少年時代は商売気に汚されずただ純粋に描画に没頭できたものでしょう。そういうときの絵が本当の感動を生むのでしょうね。芸術家は世の中に阿るようになってはいけないとの教えです。
鯛焼きのような魚に石仏 変化に富んだ庭園 しばし
現実から離れて幽玄の世界を楽しめそうですね。
おっしゃる通りです。此木三紅大氏は現在71歳になられますが精力的に作品を創り、活躍されても尚「少年」の頃の純粋な気持ちを忘れない謙虚さの中に美しいものを与えて下さる芸術が好きです。
東京生まれの彼がよくぞ千葉の地で美術館を建てて下さったことにも嬉しさを感じます。金・土・日・祝日だけお開館ですがあとは製作に没頭されているのでしょう。
千葉県内で好きな美術館は何回行っても良いものです。
ここは和と洋の融合があります。
日本の良いところやイタリアに留学されていたこともあって洋の世界も取り入れておられます。
庭園は日本美を堪能できる素敵なもので確かに幽玄の世界に浸りました。