志賀原発を廃炉に!訴訟第9回口頭弁論が開かれる。
裁判所の人事異動で今回から裁判長が交代。富山地裁高岡支部から赴任した方である。
ということで原告意見陳述は副団長の山崎彰富山県平和運動センター議長にお願いする。
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原告の基本的な思いを代弁してもらうと同時に、志賀原発の風下に住む富山県民がいかに志賀原発を不安視し、止めてほしいと願っているか、そしてそのための様々な運動について述べてもらう。加えて富山市は北電本店の城下町のようなところ。交渉などを通じて北陸電力の企業体質も嫌というほど知っている。原発を運転する能力も謙虚さもないと、この写真の迫力で断言する。
弁護団からは、弁論更新ということで、岩淵弁護団長から今回の裁判の意義や特徴について陳述する。
さらに「科学の不確実性と司法判断」というテーマで書かれた第20準備書面について要約陳述をおこなう。原発問題のような分野の裁判は、科学に問うことはできるが、科学だけで答えることのできない問題(トランス・サイエンス)だと指摘し、司法判断にあたっての根本姿勢を提起する。
おそらくは今回の裁判の判決文を書くことになるであろう新裁判長に対し、新しい大きな視点を提示したものである。フクシマの反省なく従来の延長線上で今回の訴訟に臨んではいけないという警鐘でもあり、また新しい司法の歴史を拓く意気込みで臨んでほしいというメッセージでもある。
この岩淵弁護団長の陳述を踏まえ、続いて荒木弁護士から第21準備書面「あるべきあらたな司法判断の枠組み」について要約陳述が行われる。
今後、口頭弁論は主張から立証段階に入っていくが、原告・被告の立証のあり方についての新たな提起である。何人もの弁護士さんがたくさんの議論を重ね、積んでは崩し練り上げた準備書面である。その緻密な論理構成はぜひ多くの方に一読してほしいと思う。が、かなり専門的な内容なので途中で眠くなってしまうかも。近日中に原告団のHPにアップ予定である。
いずれの準備書面も原発裁判の新しい展開を生み出す可能性のあるもので、志賀弁護団のレベルの高さ、思考の深さを示すものだと私は思っている。
きょう提出した準備書面はまだある。使用済み燃料プールの危険性の指摘である。3.11前の原発裁判では取り上げられなかったテーマだが、福島第一原発4号炉の危機的状況が報じられ、その危険性は多くの国民が知るところとなった。再稼動でさらに危険性は高まると指摘する。本来ならこれ1本で勝ってもいいほどの重要なテーマである。
口頭弁論終了後の進行協議では、またまた被告北電側の弁護団が、聞いてるほうがあっけにとられるほどの大胆引き延ばしを求めてきた。
私たちがすでに提出している新規制基準に関係する準備書面に対する被告の反論は、北電の新規制基準適合審査の申請、つまり再稼働申請まで待ってほしいというのである。人を馬鹿にするのもいい加減にしてもらいたい。
もちろんこちらの弁護団は猛反発。新裁判長も被告の言い分に同意してはいない。反論できない、あるいは反論が出ないのならば、裁判長は見切るべきである。裁判長の訴訟指揮が大きな焦点になってきた。
次回は7月10日。原告側は次回でほぼすべての準備書面を提出する予定。北電ののらりくらりに付き合っているわけにはいかない。
裁判長も、新基準とは関係のない、先の「あるべきあらたな司法判断の枠組み」に対しては被告・北電に意見を述べるように促した。ここは注目である。
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