北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

志賀廃炉訴訟 第5回口頭弁論 「福島第一は地震で破損していた」

2013-07-25 | 志賀原発廃炉訴訟
 志賀原発を廃炉に!訴訟の第5回目となる口頭弁論が午後1時半から金沢地裁で開かれた。

 毎回おこなっている原告意見陳述、今回は前白山市議の古河尚訓さんの登場である。
 福島の被災地訪問や再生可能エネルギー先進国ドイツを視察した経験を踏まえ、倫理的にも経済的にも再稼働は断念すべきと力強く訴えた。

(報告集会で意見陳述に込めた思いを語る古河さん・左端

 弁護団からは、さる7月16日に提出した第13準備書面「地震動に起因する重要機器破損の可能性」について説明が行われた。
 国会事故調の報告書や先般の田中三彦さんの講演・学習会を踏まえた主張で、裁判官にも傍聴者にも、そして被告北電の弁護団にもわかるよう、グラフや図などもふんだんに盛り込んだパワーポイントを駆使しての、非常にわかりやすい説明が展開されていく。

 その後、被告弁護団から次回(9月30日午後1時30分~)期日にこちらの準備書面に対する反論を提出する方針が示される。これまで引き伸ばし戦術としか思えない対応に終始していた被告だが、これで少しは変わるのか。反論するといっても少しずつ、少しずつと小出しにして引き延ばす可能性もあり、まだまだ油断できない。

 報告集会では以下のような内容で原告団長としてのあいさつをさせてもらった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

1.傍聴行動参加のお礼。6月23日の原告団総会への参加・協力のお礼。意見陳述の古河さんへのお礼。
 (傍聴席がなかなか埋まらなくて焦った。暑さのせい?選挙疲れのせい?と言い訳も考えたが、最終的にほぼ傍聴席は埋まりホッとする。)

2.参議院選挙について
 再稼働に向け積極的な自民党が圧勝した。志賀原発の再稼働阻止、脱原発を目指す私たちにとって極めて厳しい選挙結果となった。しかし選挙期間中の世論調査を見ても再稼働に反対する国民は依然多数派である。
 7月8日、新規制基準の施行に合わせ4電力6原発12基の原発の再稼働申請がおこなわれたが、福島原発事故の原因さえ究明されておらず、今日の第13準備書面でも明らかにされた通り、津波原因説は信用できない。国民は原子力行政が信頼に足るものではないと見抜いている。原発に関しては国民世論を反映しない安倍政権であり国会である。国民との間に大きなギャップ、ねじれが一層深まっている。私たちの主張を多くの国民は支持している。法廷外の運動もさらに広く展開したい。

3.汚染水の海への流出について
 福島の事故に関連して、大量の放射能を含んだ地下水が海に流れ出ていることが明らかになった。選挙が終わるまで東電は否定し続け、投票日翌日の22日にようやく認めた。福島の漁民や被災者を置き去りして、再稼働に積極的な安倍政権の足を引っ張らないよう政治的判断をしたことは明らかであり大変な怒りを覚える。

4.志賀原発フィルター付ベントについて
 北電は志賀原発の再稼働に向け、緊急安全対策、安全強化のさらなる対策、そしてさらにフィルター付ベントの設置工事などを含んだ「安全性向上のための対策」と、次々と工事を行っている。安全協定では、第6条で原子炉施設の増設または変更しようとするときは県と志賀町の事前の了解を得るものとすると明記されている。安管協には事後の報告がされているだけで、知事や志賀町の町長の了解を得ていない。
 特にフィルター付ベントはシビアアクシデントを前提に、格納容器(5重の壁の4番目)に穴を開け、原子炉建屋(5重の壁の5番目)に穴を開け、結果的に周辺環境に大量の放射能を放出する装置。設置変更許可申請だけでなく工事認可についても安全協定に基づく事前了解を求めるべきだ。
 周辺住民含め私たちにとって、原発を建設するときにはそんなことはあり得ないといわれていた話であり、とんでもない約束違反。あらためて志賀原発の存在自体から問いなおさなければならない重大な工事にもかかわらず、新規制基準に合わせるためとして、安全協定を無視して当然のように工事が始まった。北電のコンプライアンス意識は一段と低下し、県も志賀町も安全協定を守らせる責任も自覚も感じられない。

5.原告団の活動にさらなるご協力を
 このように国、県、志賀町、そして北電の動きに対し私たちは大変な危機感をもって向き合わなければならない。先般の原告団総会で確認したように、原告団として法廷内外のたたかいをさらに前進させていきたい。新年度の会費納入、サポーターの拡大も含め、原告団・サポーターの皆さんのさらなるご協力をお願いしたい。


コメントを投稿