ブログ仙岩

各紙のコラムや報道番組、読書の感想、カメラ自然探索など。

変わることは未来を選びなおすこと

2016-01-12 09:22:31 | エッセイ
天声人語より、年を重ねると、月日の流れがどんどん早くなる。楽しい時は駆け足なのは普通であるが、退屈な時まで大股である。

今日は12日、体内時計もあるが心の時計もあるのであろう。子供には未知の行事や出来事が次々と体験されて心の時は細かく刻まれる。だから時間がゆっくり進み大変長く感じる。

大人になると胸躍る参加行事が減り、華麗で代謝も鈍り心の時計は緩慢になるから、実際の時計より早く感じ、あれ!のど自慢チャンピオン大会もう一年経つの?と、昨夜のテレビを見て感じる。今年は北海道の代表袴羽織姿の中学生だった。昨年はいわき出身の高校生、2年続けて若者がグランドチャンピオンになった。

大人になること、子供との違いはと問う放送がされている。私はまだ子供、もう大人と言える人はいいが、殆どの人は自覚しないで大人になっているであろう。それほど大人と子供の堺は曖昧だ。

大人になるということは、歴史と出会うこと、社会を見出すことでもある、と説くのは社会学者の佐藤健二さんである。過去を感じ直し、未来を位置づけ直し、未来を選び直す。自分がどんな歴史に繰り込まれているのかを問う営みだという。

新聞には、風化させず伝える神戸市の成人式、メンバー32人振り袖姿のAKB48グループの成人式などが載っている。その隣に、震災4年10か月で沿岸部を捜索する県警や消防の捜索の写真が載っている。

そして、新成人の関心ニュース1位はテロ、2位少子高齢化、3位は増税という。

邂逅こそ人生の重大事

2016-01-11 09:37:25 | エッセイ
 今日11日は祝日成人の日、そして震災4年10か月、来春の帰還を目指す富岡、大熊、浪江、飯館が・・・・。

 亀井勝一郎「愛の無常について」、生まれ変わるということを私は人間の根本条件としております。人間は母の胎内から生まれたというだけでは、未だ人間には成らない。普通に言うこの誕生は、動物においてもそうなのであって、なんら人間の特色とならないのであります。人間が人間に成るためには、一生のうちでも、幾度か生まれ変わらねばなりませぬ。人間として「生まれる」ということは「生まれ変わる」ということです。そしてその最初の徴候が即ち青春時代で、この時期に、はじめて「我」を自覚し、自発的に考えることを始めます。・・・
 無数の疑問を考えるとき、感情に揺り動かされ、希望と不安、優越感と劣等感、愛と憎しみ、成功と挫折から我を自覚し、薄れて孤独に出会い考え始めます。・・・
 
「人生には様々の不思議がありますが、私は考え、迷い、一念形成の途上における邂逅を最も重視するのです。いついかなる時、いかなる偶然によって、誰とであったか。そこでどんな影響をうけ、どんな友情が、あるいは恋愛が成立したか。そういう経験をもつ人は、ふりかえって運命の不思議に驚くでありましょう。それによって一生が決定する場合も少なくない。邂逅こそ人生の重大事であります」・・・

 昨日福島県の39市町村で成人式を実施、今朝の新聞をにぎわせている。トップ頁の楢葉町では5年ぶりの成人式で、中学3年生で震災に会い、順天堂大2年野木さんが「様々な経験をした私たちだからこそできることを模索し、町とともに一歩ずつ前進していく」と述べた。テレビでは母と妹を亡くし、晴れ姿で育ての親に感謝の手紙を渡し、仏壇の母と妹に負けずに生きていく決意を述べていた姿に涙が出た。

 人生の生まれ変わりの成人式、5年ぶりの邂逅の人もおられよう。希望を胸に大人の仲間入りをしてほしい。

いわき市金刀比羅祭りと波立海岸

2016-01-10 09:42:58 | エッセイ
今日10日はいわき市湯本の金刀比羅神社祭で、沿道に沢山の出店が立ち並び、縁起物の熊手や成金、宝船など買う人で混雑する。

いわき市久之浜海岸南端の波立(はったち)海岸は近くに波立薬師があり、弁天島周辺に上がる日の出の撮影やお参りで有名です。今年も初日の出でにぎわったようです。

しかし、震災の津波にも耐えた弁天島の鳥居が、昨年10月8日台風23号の高波で破損したことが翌日分りニュースになった。日の出の名所だから修復するかと期待していたが、できなかった。写真は左2015.1.4、右2016.1.6撮影。

松送りをしていた四倉海岸は防潮堤建設で中止となり、高久では鳥小屋を燃やして松送りをしたと伝えていた。昔は、14日がかせどりで、田んぼの鳥を追い払う行事であった。だんだん簡略されて、小正月の団子飾り、二十日正月、晦日正月などはもう死語になりつつある。

8日のだるま市も寂れ、悲しいが、双葉のだるま引きもいわき市の避難者で行われ、引き分けで少しは活気が戻ったようだ。


北辰妙見尊だるま市

2016-01-09 08:44:30 | エッセイ
昨日8日はいわき市四倉地区の松送り、恒例の北辰妙見様のだるま市が開かれた。今年は昨年より少ない2軒のだるま市であった。

妙見堂には妙見菩薩の妙見尊星王、北辰妙見菩薩が祀られ、インド由来のものと異なり、中国の星宿思想から北極星を神格化したものである。

平安時代、奥州征伐で軍功のあった千葉氏が赴任し信仰、相馬へ赴任した折に四倉の地に菩薩を置いていった鎌倉時代のものが引き続きの信仰となったもの。北極星の動かない安定の信仰、護国鎮守、除災安定、大漁祈願、家内安全などの護り神として信仰し、如来、菩薩、明王、天の護法神の中で4番目で大黒天や毘沙門天、弁財天と同じ天部にある。

また、あぶくま抄に、8日は昭和から平成に変わった日、昭和天皇崩御を受け、午前0時に改元、当時小渕恵三内閣官房長官が墨書の新元号を示す様子は脳裏に残る。

当初、候補は平成、修文、正化の三案が上がり、平成以外はローマ字がSで始まるので、昭和と同じで混乱を避け、二案が退けられたという。

昭和も遠くなりで、一昨夜高橋秀樹司会での昭和の歌謡曲や武田鉄矢のホークソングの由来など、心にしみるものがあり懐かしんだ。