これ、現在の最長老。5年半ものの貝。
日がな一日、こんな感じにアタマから頭瘤(とうりゅう)を出して、
のたりのたり~~と過ごしているのです。
頭瘤は、かたつむりが機嫌のよい時に出てくる証。
かたつむりの表情といってもよいでしょう。
つまりは、いまこのかたつむりは笑っているんですね。
わが家のかたつむりは、年ふるとともにこのような表情でいることが、
多くなるような気がします。
ぶらぶらと気に入った場所を散歩しては、ベンチに座って静かに微笑む老人、、、
ヒトに例えれば、そんな感じではないでしょうか。
子どもと、その孫に恵まれて、今は日々美味しいものを食べて、余生を過ごしているのが、
このかたつむりなのです。
だから、この貝は、天敵という生き物にとっての最大のストレスとは無縁のまま、
命を終えることになるのでしょう。
そんなふうに、作り上げたのは紛れもなくワタシなのにも関わらず、
毎日、こうして平和ボケした貝を見ていると、なんだか羨ましくもなるのです。
ナメクジに限りなく近い生き物を羨ましく思うのも、なんだか笑っちゃう話なのですが、
オマエはいいな…って、やっぱ思ってしまうのです。
そういう時に、ヒトってのも、大した生き物じゃないんだな…と、安心する自分がいます。
そして、そんな自分を確かめては、また外へと出かけていくのが、ワタシの日常なのです。
おしまい。