展望台の管理棟?の裏側で、落ちていた(敷いてあった?)古いベニヤ板をはぐると、ハサミムシが3匹いました。翅の先端部が黄褐色なので、コブハサミムシのようです。
コブハサミムシについては、「菅平生き物通信(第15号2012年1月発行)/コブハサミムシ・生命のリレー(清水将太)」にわかりやすく説明されていましたので、抜粋して紹介します。
「…昆虫のなかには、越冬後まもなく繁殖を行う種がいます。…コブハサミムシもそのような昆虫の一つです。…
このコブハサミムシは、一年で世代交代します。春先にふ化して夏に成虫となり、成虫の状態で越冬します。普段は植物上で生活していますが、越冬の際には地中へ移動します。そして雪解けが進んだ春先、母虫は川筋の石の下などに巣をつくり産卵します。しかし、産卵後、卵を放置するのではなく卵や若い幼虫の世話をします。
…本種の母虫は全卵を一か所に積み重ね、しばしば卵を舐めたり動かしたりします。そして、幼虫がふ化する際には卵の殻を除去し、幼虫が巣の外へ出てしまったならば巣に連れ戻すという行動をとります。…
”保育行動”はハサミムシ類の大きな特徴の一つです。…
…本種の幼虫は、ふ化後しばらくして巣立ちします。実は、巣立ち前に衝撃的な出来事が起きます。母虫がわが子に食べられてしまうのです…」
ここで分からなかったのが♂のことです。
① ♂♀はいつ交尾するのでしょう?
② 交尾後、♂はどなうるのでしょう?
私が見たのは、まさに「巣をつくり産卵」している状態のようです。卵と♀(らしきもの)と♂(らしきもの)各1匹(巣はわかりません)、それに、卵のある巣と♀(らしきものが)1匹です。
♀(らしきもの)と♂(らしきもの)とは、〈大きさ〉〈腹節の数〉〈尾鋏の形〉が違うように見えます。
「母親の最後に関わるムシたちの話」(埼玉県立大学共通教育科・小林憲生ほか)には、コブハサミムシは「秋に交尾し、オスは越冬する前に死んでしまいます」と書かれています。
私が見た♂(らしきもの)は、♀なのでしょうか?何故一つの卵塊に♀が2匹いるのでしょうか?
コブハサミムシの♂♀の区別について、ウェブサイト『虫ナビ/コブハサミムシ』には、「尾鋏が大きく湾曲するものをアルマン型、長く真っ直ぐに伸びるものをルイス型という。♀では尾鋏が短い。」と書かれています。
また、ウェブサイト『イッカク通信発行所/フィールドノート/コブハサミムシ』には、「…オスとメスはそれぞれ違う形のハサミをお尻に持つが、オスのハサミにはさらに二つの形がある。グイッと強く内側に曲がるものとスーッとゆるやかなカーブを描くものの二つだ。前者はアルマン型、後者はルイス型と呼ばれ、その出現頻度は地方によって違うという。」
写真からでは、わからないことだらけです。わからないから、おもしろいのですが…。
《大きなベニヤ板をはぐった状態(卵と母虫ともう1匹(♂?)がいる) 2022/03/29》
《卵と母虫ともう1匹(♂?) 2022/03/29》
《小さなベニヤ板もはぐった状態(巣に卵と母虫がいる) 2022/03/29》
《巣の中の卵と母虫 2022/03/29》
※ 在日ウクライナ大使館に、僅かな額ですが寄付してきました。今の日本は平和ですが、いつ何時ウクライナに起きているようなことが起きるかもわかりません。そうならないことを祈っています。
参考までに、大使館のツィッターを紹介
『ウクライナを応援したい方々用に、寄付金を送金できる銀口口座の詳細を更新いたします。
以下になります。
三菱UFJ 銀行 広尾支店 047 普 通
口座番号0972597 エンバシーオブウクライナ 』