ブルックナー
交響曲第5番
指揮…メスト
演奏…ロンドンフィル
好み度…4.5(5点満点)
堅固だったり重厚長大だったり宗教色を感じさせたり、いろいろな側面を見せるこの曲だが、そういったイメージを払拭させるような、力強くしなやかに引き締まった演奏。
1993年ウィーンでのライブ録音とのことで、解説にも「その新鮮かつ鮮烈な解釈は保守的な聴衆の怒りを買うとともに、多くの聴衆から圧倒的な拍手で迎えられたという」とあるのも微笑とともに頷ける気がする。ここぞで豪快に響くティンパニや速めのテンポの第2楽章の美しい爽快感、フィナーレの怒涛の迫力などが印象的。速めのテンポだが、指揮者もオケも一音一音への配慮がおろそかになることなく、むしろ高く爽快な緊張感を感じる。この日のロンドンフィルの響きはしなやかに機能的にシャープな清涼感も感じさせてこの演奏に合っているし録音もいい。
何せ他の盤でのブル5とはイメージを異にする、颯爽とスポーティーでしなやかな筋肉質といったら怒られそうだが、爽快で引き締まったブル5。
聖フローリアンにゆっくり響くこの曲もいいが、こんなこの曲もいい。
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