ブルックナー
交響曲第5番
指揮…スクロヴァチェフスキ
演奏…ロンドンフィル
好み度…4.5(5点満点)
2015年ライブ。残響の豊かさがむしろ売りのような盤が多いこの曲で、残響少な目のクリアで美しい録音による盤。
豪快な管弦に残響も重なって荘厳な響きとなるこの曲もいいが、残響少な目で(といっても他の曲なら標準くらいかも)いろんな音の重なりがしっかり聴けるこの曲もスクロヴァの厚く美しい音の重ねゆえに悪くない。
豪快に金管が鳴り渡るという雰囲気はなく、弦や木管も含めてそれぞれが厚く美しく重なり、全体として厚くも透明で美しい響きをつくっている。
一聴、情を排した冷めた美しさかと思いきや、冷静なりにちょっとひんやりした響きの中にしっかり情は織り込まれているように感じられ、特に第2楽章の厚い美しさは趣深い。
ロンドンフィルとかロイヤルアルバートホールとかいうと力強さとか熱は期待できてもちょっと大味な印象があったが、とても機能的で美しい演奏・録音(拍手は相変わらず熱狂的)で、フィナーレの最後でちょっと聴きなれない処理があるけどまぁご愛嬌と思えるくらいの、全体的にはスクロヴァならではの、ちょっと冷静で音の重なりの美しい、厚いけど透明な美しさを感じさせる、盤のように思う。
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