生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

一原有徳の版画実験

2010年04月12日 23時36分36秒 | 美術/絵画
2010年4月12日-3
一原有徳の実験

光岡幸治.2010.3.一原有徳??版の冒険.182pp.北海道新聞社.[ISBN 9784894535435 / 1,100円+税].〔56の図版あり〕.

を読了した。

 一原有徳は、多くの独創的な実験をしていて、その結果の作品が良い。いくつか挙げると、
  1. モノタイプにおける独創的製作(制作)方法。産物は、質感に富んだ平面作品。
  2. 円筒状にした平面。立体的に展示した平面作品。
  3. 版と転写物との関係の再考。版をオブジェとして提示する。

石または金属の平板によるモノタイプの場合
 ほぼ単色インクの場合は、見えとしては、明暗の程度が強調されるだろう。平たくインクを塗布して、それをこそげ取るときにインク厚さが制御される。ここでは描いている。インク粒子が大きいときは、つまり粗いときは、砂絵と同様である。インクの厚みまたは深さが、平たい紙に濃淡として転写(つまり写像または変換)される。それが、見えとしては明暗になる。それを実現するために、インクの厚みを製作上で制御する。制御は手の力(平面的方向と垂直的押しつけ強度)によるが、その道具として「曲線的にうねらせることができる道具」(光岡 2010: 120)を見つけたことが、たとえば1975年の<Ron 15>を産んだ。
  二次元視覚における明暗=変換 (パターンとしての濃淡)=変換 (インクの厚み)。
 もし、測定単位を定め、単純に比例するとすると、aを比例定数として、
  視覚的明暗度=a(インクの厚み)+b。

 多くの人は、明度差(濃淡差)を、立体物の遠近として錯視する。つまり遠近が現われていると(脳において?)解釈する。


ロスコ作品/サントリーミュージアム展示/大阪市近代美術館準備室所蔵

2010年04月12日 01時58分25秒 | 美術/絵画
2010年4月12日-2
ロスコ作品/サントリーミュージアム展示/大阪市近代美術館準備室所蔵

 2010年4月7日に見た、
  レゾナンス共鳴:人と響き合うアート/サントリーミュージアム
は、20人の作家の展示。一人につき一つの部屋である。
 例外は、マーク・ロスコと草間彌生の作品で、直角に向き合う二つの壁面に一つずつ展示されている。他のふつの壁面は展示なし。椅子またはソファは無い。
 草間彌生作品は、およそ縦が2m、横4mの豊田市美術館所蔵の網目状のもの。1959年のNo.AB。この作品は「不協和音 日本のアーティスト6人」展/2008年09月30日~2008年12月25日/豊田市美術館、で見たと思う(6人とは、オノ・ヨーコ、草間彌生、久保田成子、斉藤陽子、塩見允枝子、田中敦子である)。これの半分くらいの同様の網目状のものは、芥川(間所)紗織展/一宮市三岸節子記念美術館で見た。
 ロスコ作品は、1958年作「Bottle Green and Reds」で、大阪市近代美術館準備室所蔵。205.7×157cmのものがおよそ7m幅(目測)の壁面に展示されていた。数cm幅の枠のなかに暗赤色80cm、黒30cm(緑がかっては見えない)、暗赤色80cmほどの三段に色面が分かれる。深みのある落ち着いた感じをたたえて、そこにある。絵画作品はかくあるべきという、一つの見本。大阪市近代美術館準備室と納税者に感謝。なお、図録の図版では、三段には見えず、したがって異なるものに見える。
 このサントリーミュージアムは今年末で休館とのこと。そのことがあって、このような企画が立てられたとか、このことはどこで見たのだったかな。

抽象絵画論・美術論/文献追加

2010年04月12日 00時25分58秒 | 美術/絵画
2010年4月12日-1
抽象絵画論・美術論/文献追加

[Y]
山田忠彰.2007.4.存在とデザイン??デザインのデ・サイン構造??.山田忠彰・小田部胤久(編)『デザインのオントロギー:倫理学と美学の交響』: 258-285. ナカニシヤ出版..[ISBN 9784779501272 / 2,730円(税込)]〔1 記号化される生命(バイオセミオティクス、情報と「環世界」、)、2 表面の世界、3 デザインとデ・サイン〕

山田忠彰・小田部胤久(編).2007.4.デザインのオントロギー:倫理学と美学の交響.312pp.ナカニシヤ出版.[ISBN 9784779501272 / 2,730円(税込)]〔週刊読書人2007年6月1日号に古賀徹「「広義」なデザイン論の意味」という書評があるらしい〕