2010年4月12日-3
一原有徳の実験
光岡幸治.2010.3.一原有徳??版の冒険.182pp.北海道新聞社.[ISBN 9784894535435 / 1,100円+税].〔56の図版あり〕.
を読了した。
一原有徳は、多くの独創的な実験をしていて、その結果の作品が良い。いくつか挙げると、
1. モノタイプにおける独創的製作(制作)方法。産物は、質感に富んだ平面作品。
2. 円筒状にした平面。立体的に展示した平面作品。
3. 版と転写物との関係の再考。版をオブジェとして提示する。
石または金属の平板によるモノタイプの場合
ほぼ単色インクの場合は、見えとしては、明暗の程度が強調されるだろう。平たくインクを塗布して、それをこそげ取るときにインク厚さが制御される。ここでは描いている。インク粒子が大きいときは、つまり粗いときは、砂絵と同様である。インクの厚みまたは深さが、平たい紙に濃淡として転写(つまり写像または変換)される。それが、見えとしては明暗になる。それを実現するために、インクの厚みを製作上で制御する。制御は手の力(平面的方向と垂直的押しつけ強度)によるが、その道具として「曲線的にうねらせることができる道具」(光岡 2010: 120)を見つけたことが、たとえば1975年の<Ron 15>を産んだ。
二次元視覚における明暗=変換 (パターンとしての濃淡)=変換 (インクの厚み)。
もし、測定単位を定め、単純に比例するとすると、aを比例定数として、
視覚的明暗度=a(インクの厚み)+b。
多くの人は、明度差(濃淡差)を、立体物の遠近として錯視する。つまり遠近が現われていると(脳において?)解釈する。
一原有徳の実験
光岡幸治.2010.3.一原有徳??版の冒険.182pp.北海道新聞社.[ISBN 9784894535435 / 1,100円+税].〔56の図版あり〕.
を読了した。
一原有徳は、多くの独創的な実験をしていて、その結果の作品が良い。いくつか挙げると、
1. モノタイプにおける独創的製作(制作)方法。産物は、質感に富んだ平面作品。
2. 円筒状にした平面。立体的に展示した平面作品。
3. 版と転写物との関係の再考。版をオブジェとして提示する。
石または金属の平板によるモノタイプの場合
ほぼ単色インクの場合は、見えとしては、明暗の程度が強調されるだろう。平たくインクを塗布して、それをこそげ取るときにインク厚さが制御される。ここでは描いている。インク粒子が大きいときは、つまり粗いときは、砂絵と同様である。インクの厚みまたは深さが、平たい紙に濃淡として転写(つまり写像または変換)される。それが、見えとしては明暗になる。それを実現するために、インクの厚みを製作上で制御する。制御は手の力(平面的方向と垂直的押しつけ強度)によるが、その道具として「曲線的にうねらせることができる道具」(光岡 2010: 120)を見つけたことが、たとえば1975年の<Ron 15>を産んだ。
二次元視覚における明暗=変換 (パターンとしての濃淡)=変換 (インクの厚み)。
もし、測定単位を定め、単純に比例するとすると、aを比例定数として、
視覚的明暗度=a(インクの厚み)+b。
多くの人は、明度差(濃淡差)を、立体物の遠近として錯視する。つまり遠近が現われていると(脳において?)解釈する。