生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

地球温暖化ビジネス/排出権取引と原子力発電

2010年05月17日 23時38分55秒 | 生命生物生活哲学
2010年5月17日-5
地球温暖化ビジネス/排出権取引と原子力発電

 地球温暖化騒動にまつわる詐欺または不公平での大きな問題の一つは、排出権取引であろう。
 IPCCインベントリータスクフォース共同議長である平石尹彦氏を検索すると、

[S]
西條辰義・新澤秀則・明日香壽川・平石尹彦・戒能一成 ・鮎川ゆりか・本郷尚.2009.10.地球温暖化の経済学(シリーズ環境リスクマネジメント第4巻).大阪大学出版会.〔環境リスク管理のための人材養成プログラム(編)〕

という本が出てきた。2010年4月30日の日本学術会議シンポ「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)問題の検証と今後の科学の課題」で、聴衆席から何か発言していた明日香壽川氏の名前もある。
 他に、

西條辰義.2006.1.地球温暖化対策:排出権取引の制度設計.日本経済新聞社.

諸富徹・鮎川ゆりか.2007.10.脱炭素社会と排出量取引:国内排出量取引を中心としたポリシー・ミックス提案.日本評論社.

とかもある。

 政治学や経済学の混迷。排出権取引について詐欺とかまやかしだと発言している経済学者はいないのか、と思って「排出権取引 詐欺」でGoogleと、宇沢弘文氏が言っているらしい。

  「宇沢弘文教授が「天に唾する行為」と喝破した排出権取引は、やはり新たな金儲けの手段であった。」

と書いてあるらしい本は、

副島隆彦・SNSI副島国家戦略研究所.エコロジーという洗脳:地球温暖化サギ・エコ利権を暴く[12の真論].成甲書房.

なのだろうか。「宇沢弘文 天に唾する行為」でGoogleと、この出所は、『エコロジーという洗脳』という本だけのようだ。多くは孫引きか。確かに(新聞で?)見たか聞いたような気がするが。「排出権取引 宇沢弘文」でGoogleと、

宇沢弘文.2008.10.排出権取引は虚構 世界が認めた地球温暖化対策とは.WEDGE 2008年10月号.

があるらしい。原子力問題研究室のまとめによると(http://www.gns.ne.jp/eng/g-ken/doukan/agr_458.htm)、
  <排出権取引が反社会的で非論理的である理由は、「たまたま自らへの割当が必要とする量より多かったとき、それを排出権と称して、市場で売って儲けようとすること自体、倫理的な面からも、また社会正義の観点からも疑義なしとはしない」、つまり「二酸化炭素は植物の生育に不可欠な役割を果たし、すべての生命の営みの過程で大気中に放出され、また人間のすべての営みに重要な関わりをもつ」というその重要な二酸化炭素を排出権と称して売買しようとすることは反社会的だからである>
となっている。なるほど。
 しかし次の頁では、「G研」代表は<我々のような技術系の人間は、……温室効果ガス排出量の具体的な削減方法として、原子力発電の積極的な開発と……こそ必要と信じて疑わない>と言う(http://www.gns.ne.jp/eng/g-ken/doukan/agr_459.htm)。やれやれ。事故が起きたときの便利な文句、「想定外」。想定外が起きて、高速道路は橋桁とともに倒れ、柏崎刈羽原発は全面停止する。もんじゅの手順ミスも想定外か。想定外の「確率」はいくら?

 根拠のない地球温暖化防止をするよりも、すでに幾多の事故の実績があり、いまなお汚染の影響がある原子力発電所閉鎖を選ぼう。

IPCCゲート問題/「科学的」の種類と程度

2010年05月17日 18時25分09秒 | 生命生物生活哲学
2010年5月17日-4
IPCCゲート問題/「科学的」の種類と程度

  「擬似科学やトンデモ科学とIPCCゲート
投稿者: DreamChaser, カテゴリ: 教育/研究@大学, 経済/政治/社会一般 [6,147 Views]

ノーベル賞までもらって国際政治に絶大な影響力を持ったIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告書も,今ではボロクソに言われて,トンデモ本の代表みたいになっている.IPCCも擬似科学者集団の烙印を押されたかのようだ.それもこれも,デタラメだらけの報告書を,あたかも科学的根拠に基づき,厳密な査読プロセスを経てまとめられたかのように偽装したためだ.これって,擬似科学の定義そのものでは...」(http://blog.chase-dream.com/2010/03/28/937)。

 偽装が事実なら、IPCCは科学的にやっていると思わせている(多くの専門外の人はそう思い込んでいるのは確からしい)ので、偽科学またはニセ科学と呼ぶべきでしょう。
 IPCCは科学者(だけの)集団ではないし、少なくとも科学者も科学的(理想的)成分だけで、IPCC報告書をでっちあげたのではない。科学者とみなされる人でも偽装することは、氷河ゲート事件で確証された。
 擬似科学やトンデモ科学の定義はなんだろう? ト学会の定義と、ふつうに使われている「トンデモ」の意味との間にずれもある。
 一番の問題は、気温データを温暖化になるように改竄したのではないか、という疑惑である。そもそも基本となるデータをようやく公表したとか、ということはそれまでしてなかったということなのか(未追求)。

 おおむね、DreamChaserさんの言うように受け取れる。ボロクソに言われて当然である。シミュレーションでの再現に使った気温データが嘘だという疑惑があるのだから。もう一度、説得に使ったグラフに用いたモデルでパラメータ値をまったく変えずに、グラフを修正するとどうなるのだろうか。もっとも、それも金をつぎ込むほどの意味は無い。

IPCCゲート問題/気候モデル

2010年05月17日 17時48分23秒 | 生命生物生活哲学
2010年5月17日-3
IPCCゲート問題/気候モデル

1. シュピーゲルのIPCCゲート問題に関する記事
 独シュピーゲル・オンラインの記事の日本語訳である、
  「地球温暖化研究を襲った超大型暴風雨
  (発表元)21世紀政策研究所 (登録日)2010-04-28」
は、
http://www.emyline.net/report.htm?id=31697
から入手できる。


2. IPCCについて検討する InterAcademy Council (IAC)の委員

 IPCCについて検討する InterAcademy Council (IAC)の12委員の一人として真鍋淑郎氏が選ばれた。シミュレーションモデルの開発をした人である。お手盛りにならないのか?
  「この人選について、国立環境研・温暖化リスク評価研究室長の江守正多氏は「温暖化予測の基礎を作った人。先人の立場でアドバイスしてもらえるのではないか」と評価する。」(温暖化解決の根拠のはずが…揺らぐIPCCレポートの信用性 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100516-00000541-san-soci)
とある。そうだよね。

 ところが、
  「IPCCのシミュレーションモデルは「地球循環モデル」(GCMたぶんGlobal Circulation Model)というカリフォルニア大学名誉教授・荒川昭夫氏が開発されたものだそうです。

ところが
このモデルの開発に協力した現プリンストン大学教授・真鍋淑郎氏“自身”が
「このプログラムで気候変動が予測できるはずがない」
と云っています。」
(http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1136871381)。

 真鍋淑郎氏は、本当にそういったのだろうか? むろん、「このプログラム〔どんなプログラム?〕で気候変動が予測できるはずがない」と考えるのが妥当だろう。


3. 日本学術会議シンポで

 2010年4月30日の日本学術会議シンポ「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)問題の検証と今後の科学の課題」での応答で、江守正多氏が答えたことから推測すると(録音を自動的にテキスト形式に変換する、安いシステムはないのかな? 前半と後半とも2時間を超えるからかiPhoneからメール添付でパソコンに送れない)、

 a. IPCCが予測に使ったモデルは(経験的観測と照らして)テストされていないし、したがって確証がない。

 反確証もないが、草野完也氏の作った(パラメータのはるかに少ない)モデルが同程度に再現しているのなら、そのモデルのほうが良い。良いからと言ってあたる保証は無いが、パラメータ数が少ない方がテストしやすい。
 批判に答えて計算での空間解像度を精細にしているのだろう(100kmとか20km)が、格子モデルはそもそも変ではないか。莫大な金を食うコンピュータ計算をすることにもなるし。この点は、気象予想に使うモデルも同様である。しかし、気象モデルにもとづいた予想が、どの程度当たったかどうかは素人にもわかる。


 b. IPCCが予測に使ったモデルと、(江守氏らが?)最近の気温を再現するのに使っているモデルは異なる。

 当然なのだろうが、あくまでIPCCの未来気温予測が当たるかどうか、したがってそれに使ったモデルに、(テストされて)どのような種類と程度の確証があるのか、これが問題であるから、異なるモデルでテストして確証しても、ましてや再現性を高めても、意味は無い。

書籍備忘録20100517-2

2010年05月17日 14時03分51秒 | 生態学
2010年5月17日-2
書籍備忘録20100517-2

<Ecology 生態学>

[R]
*Rohde, K. 2005. Nonequilibrium Ecology. ix+223pp. Cambridge University Press. 〔Ecology〕

[S]
*Schneider, D.C. 2006. Quantitative Ecology, Second Edition: Measurement, Models and Scaling. xv+415pp. Academic Press. 〔Ecology〕


<Evolution 進化学>
[P]
*Pigliucci, M. & Kaplan, J. 2006. Making Sense of Evolution: The Conceptual Foundations of Evolutionary Biology. vii+300pp. University of Chicago Press. 〔Evolution〕

書籍備忘録20100517

2010年05月17日 01時04分03秒 | 生命生物生活哲学
2010年5月17日-1
書籍備忘録20100517

[J]
*神野直彦.2010.4.「分かち合い」の経済学.224pp.岩波書店.[756円]

[O]
*オレル,デイヴィッド.20??.(大田直子・鍛原多惠子・熊谷玲美 ・松井信彦訳 2010.1)明日をどこまで計算できるか?:「予測する科学」の歴史と可能性.456pp.早川書房.[2,520円]〔Orrell, David. Apollo's arrow: the science of prediction and the future of everything〕〔amazon.co.jpでの沈思黙考 (冥王星)さんによるレビューあり〕

[S]
*坂元志歩.2010.1,いのちのはじまり、いのちのおわり.232pp.化学同人.[1,680円]

[T]
*武田邦彦.2010.5or6.エセ科学に踊らされる日本は「沈没」寸前.正論 2010/6: ***-***.