2010年4月19日-1
design=de+signという考え方/デザインとコンセプト
語源、または、言葉の構成的成り立ち、から考えることは、そもそもの発想を探ることにもなるだろう。一つには、素過程に分解または分析できる(あるいは、分解できることに繋がるかもしれない)という利点があると思われる。われわれにとっては、物体または心(あるいはむしろ意識)の運動を、互いに独立だと考えた、あるいはそのように仮りにでも分析したプロセスから構成されたものとして考えれば、なにかと便利である。たとえば、異なる(同時的)組合せにしたり、異なる順序にすれば、新しい物体になったり、異なる方向への制御ができるかもしれないからである。気に入る物体であるかどうか、気に入る運動結果(たとえば音楽)になるかどうかは、やってみてのお楽しみである。(むろん、楽しくないだろうと予想されれば、そのような製作はしなくてもよい)。
さてそこで、デザインは、デ・サインだとすると、サイン(記号)の外化・ ・ となる(山田 2007: )。
米澤(2008: 7)によれば、フランスで15世紀頃に使われ始めたdesignは、イタリアから来たもので、ラテン語のdesignareに遡ることができて、それはde+signumであるので、
「「徴しるしを付けて区切る」、「境界線を引く」というのが最初の意味だろう。意図的に徴を付ける、という意味から、計画、構想といった意味が派生したらしい。半世紀くらい前まで、デザインの語はまだ絵画や彫刻作品のプラン、デッサン、スケッチ、要するに「下絵」の意味で、完成した作品のことではなかったのである」(米澤 2008: 7)
と言う。
人の言葉の使い方はどういうわけかすぐに変異してしまう(確証されない一般的傾向)ので、語の意味が多義的になったり、語の指示対象の範囲が不明瞭になる。デザインについては、
営業活動で、「君はどんなコンセプトでやってるの?」というときの、conceptは、conception胎むことのほうに繋がる意味であろう。コンセプトとは、「作家に宿った「芸術的着想」を指す」(米澤 2008: 6)し、これは内側のもので、theme主題は外部(注文者または芸術家?)から与えられたものと、対比的に捉えられよう(米澤 2008: 6)。
[Y]
山田忠彰.2007.4.存在とデザイン??デザインのデ・サイン構造??.山田忠彰・小田部胤久(編)『デザインのオントロギー:倫理学と美学の交響』: 258-285. ナカニシヤ出版.
山崎正和.2007.6.装飾とデザイン.299pp.中央公論新社.[ISBN 9784120038372 / 2,200円+税].
米澤有恒.2008.9.ア-トと美学.ix+253pp.萌書房.[ISBN 9784860650414 / 2,200円+税].〔http://pub.ne.jp/1trinity7/?entry_id=2844464、に追加項目〕
design=de+signという考え方/デザインとコンセプト
語源、または、言葉の構成的成り立ち、から考えることは、そもそもの発想を探ることにもなるだろう。一つには、素過程に分解または分析できる(あるいは、分解できることに繋がるかもしれない)という利点があると思われる。われわれにとっては、物体または心(あるいはむしろ意識)の運動を、互いに独立だと考えた、あるいはそのように仮りにでも分析したプロセスから構成されたものとして考えれば、なにかと便利である。たとえば、異なる(同時的)組合せにしたり、異なる順序にすれば、新しい物体になったり、異なる方向への制御ができるかもしれないからである。気に入る物体であるかどうか、気に入る運動結果(たとえば音楽)になるかどうかは、やってみてのお楽しみである。(むろん、楽しくないだろうと予想されれば、そのような製作はしなくてもよい)。
さてそこで、デザインは、デ・サインだとすると、サイン(記号)の外化・ ・ となる(山田 2007: )。
米澤(2008: 7)によれば、フランスで15世紀頃に使われ始めたdesignは、イタリアから来たもので、ラテン語のdesignareに遡ることができて、それはde+signumであるので、
「「徴しるしを付けて区切る」、「境界線を引く」というのが最初の意味だろう。意図的に徴を付ける、という意味から、計画、構想といった意味が派生したらしい。半世紀くらい前まで、デザインの語はまだ絵画や彫刻作品のプラン、デッサン、スケッチ、要するに「下絵」の意味で、完成した作品のことではなかったのである」(米澤 2008: 7)
と言う。
人の言葉の使い方はどういうわけかすぐに変異してしまう(確証されない一般的傾向)ので、語の意味が多義的になったり、語の指示対象の範囲が不明瞭になる。デザインについては、
営業活動で、「君はどんなコンセプトでやってるの?」というときの、conceptは、conception胎むことのほうに繋がる意味であろう。コンセプトとは、「作家に宿った「芸術的着想」を指す」(米澤 2008: 6)し、これは内側のもので、theme主題は外部(注文者または芸術家?)から与えられたものと、対比的に捉えられよう(米澤 2008: 6)。
[Y]
山田忠彰.2007.4.存在とデザイン??デザインのデ・サイン構造??.山田忠彰・小田部胤久(編)『デザインのオントロギー:倫理学と美学の交響』: 258-285. ナカニシヤ出版.
山崎正和.2007.6.装飾とデザイン.299pp.中央公論新社.[ISBN 9784120038372 / 2,200円+税].
米澤有恒.2008.9.ア-トと美学.ix+253pp.萌書房.[ISBN 9784860650414 / 2,200円+税].〔http://pub.ne.jp/1trinity7/?entry_id=2844464、に追加項目〕