2016年3月10日(木)11時15分
カリフォルニア州ロサンゼルス国際空港
北米Pも最終日です。この日は本当に帰るだけ。
というのも、日本から来たZBSを強制送還する飛行機に合わせて予定を決めていたので、そうするともう当日は何かすることもないねということでもう帰るだけにしたのです。まあ、結局彼来なかったんで意味なくなっちゃったんですけど。
アメリカは入国審査が世界一遅い国として世界中の旅行客(主語がデカい)から顰蹙を買っているんですが(ただしカナダ→アメリカでは、カナダに居る間に入国を済ませてしまうので割と早い)、出国はクソ早いです。なにせ出国審査がないので(飛行機のチェックイン時に簡単に済ますそうで)。
アメリカを飛行機で出国するのはこれが初めてでしたので(今までは船)、拍子抜けと言うかなんというか。入るの厳しく出るの簡単とは日本の大学みたいだ。
つーわけで、そうと知らずに早めに空港にやって来た私は突如暇になってしまいましたとさ。
じゃあもう、出発ロビーから飛行機撮るしかないじゃん、ということで、ガラスに張り付いて横を飛んでいく旅客機を撮影することに。世界一忙しいと言われるLAXなので、機材は内際関わらずひっきりなしにやってくるぞ。
最初に来たのは中国国際航空のボーイングB777-300ER (B-2039)。
元祖LCCのサウスウェスト航空のボーイングB737-700 (N561WN)。これは新塗装。
大韓航空のエアバスA380-800 (HL7622)。そういえばサンパチ持ってましたっけね。
アシアナ航空のA380-800 (HL7634)。
あ、アレは757!757じゃないか!
デルタ航空のボーイングB757-200 (N717TW)です。初めて見ました。日本ではもう見れなくなってしまったので嬉しかったです。これは収穫ですわ。
757、日本ではレアな機材ってことで日本で妙に人気があるんですが、かく言う自分も細長い胴体と大きめの機首風防が好きです。
たまたまこの機材はスカイチーム特別塗装機だったのも運が良かったです。
それとレジ番号からみて、元トランスワールド航空・・・を買収したアメリカン航空・・・の中古機っぽいですね。757は大陸横断路線や大西洋路線にちょうどよい大きさと航続距離を持つんで、デルタでは他社の中古機をかき集めてくるほど重用しています。757を最後まで運用する会社になりそう。
ゲゲっ、アレはDC-9か、MD-80か、いや717だ~~!
デルタ航空のボーイングB717-200 (N938AT)です。これも見られるとは・・・。
マクドネル・ダグラスを買収したボーイングはマクドネル・ダグラス製旅客機の生産中止を発表しましたが、小型機のMD-80の改良型MD-95だけは航空会社の反対もあって717に名前を変えて生産された、という変わった出自の機材なのです。
レジ番N938ATは、エアトラン航空・・・を買収したサウスウェスト航空・・・がデルタにリースしている機材です。
717も短距離路線にちょうどよい機材だそうなので、デルタも重用しています。デルタは中古機好きなのよね。MD-80/717系列を最後まで運用する会社になりそう。
サウスウェストの737-300 (N650SW)。あ、クラシックなんですねこれ。
2019年の今はもう使ってないでしょう。
シンガポール航空のA380-800 (9V-SKT)。サンパチ、めちゃくちゃやってくるじゃん。
ヴァージン・アメリカのエアバスA320-200 (N285VA)。
イギリスやオーストラリアではよく知られたヴァージングループの会社でした(過去形)
2018年にアラスカ航空に買収されてしまい今このブランドは消滅してしまいました。過去の記録になってしまいましたね・・・。
ちなみに、アラスカ航空はボーイング737を主力に据えているのでエアバス機で統一されたヴァージン・アメリカの機材を混ぜて大丈夫なんかいなと思いましたが、その後の737MAXのあれやこれやを見ると、結果オーライだったのかもしれませぬ。知らんけど。
フィジー航空のエアバスA330-200 (DQ-FJV)。オセアニアのフィジー共和国のフラッグキャリアですな。初めて見た。
デルタのB717-200 (N928AT)。
ちなみに中古機大好きなデルタですが、運行前には必要な延命工事をちゃんとやっているところも補足しときます。
アメリカン・イーグル(コンパス航空)のエンブラエルE175LR (N213NN)。
ブラジルのエンブラエル社のリージョナルジェット機です。日本だとFDAが主力としている機材。小型機ながら室内高が高いので好きです。
アメリカン・イーグルは、アメリカン航空のブランドの下で地方路線を運行する会社です。アメリカン航空は別の会社に運行を委託していて、これの場合はコンパス航空という会社が運航しているのです。
エアカナダ・ルージュのボーイングB767-300ER (C-FMWY)。帰りに乗る機材が到着しましたね。
エアカナダ・ルージュはエアカナダ子会社の観光路線向けのブランド。枠組みではLCCですが、接客サービスはFSC未満LCC以上というところです。
FSCブランドの名前を引っさげたLCCブランドって成功しないイメージあるんですけど、今の所大丈夫そうなかんじです。
機材はエアカナダ本体の中古なので、新興LCCがこの大きさの機材を調達しようとしたら新造の787を保有するところ、一世代前の767で運航します。
ユナイテッド航空のB757-300 (N57855)。
757-200の胴体延長型ですが、なっが・・・。ナローボディ機では最長だったかな。エンジンも767と共通のやや大きめのものなんで、見た目色々バランス悪いな、と。
ユナイテッドのB737-800 (N14237)。
中国東方航空のB777-300ER (B-2003)。
すっげー手抜きに見える塗装として私に有名な東航。これどうにかしてくれねえのかな。
アレジアント航空のA319-100 (N302NV)。Allegiantは信仰心に忠実な、という意味ですが、ちょっとどういうことか分からなかったです。
アメリカ西部を地盤にするLCCの更に上を行くULCC(超格安航空会社)です。季節により運行頻度を変動させているのが運行上の特徴です。これすなわち閑散期は駐機場警備員をやっている機材が発生することになるんですが、アレジアントの機材構成は安価な高機齢の中古機なので機材の稼働率にさほど注意を向けなくても済むのだ、という戦略を採っているのです。
C-FMWYがスポットへ着きました。これで視界の右半分は機体の影に隠れて見えなくなってしまいました。
ユナイテッドのB757-200 (N12109)。
ジェットブルーのA321-200 (N923JB)。
ジェットブルーはアメリカ東部を地盤にするLCCです。LCCとしてはサービス品質が良いんだとかで。
垂直尾翼の絵柄が1機ずつ異なるのと機材全てに名前が付けられているのが特徴です。なお機材数は250機くらいありにけり・・・。
これはIt's Mint to be号だそうな。なんやねん思ったら上級クラス座席「Mint」を装備している機材です。LCCで2クラス座席付けるんやね。
垂直尾翼のおっさんが強烈で「おっさん航空」の名前で私に親しまれるアラスカ航空のB737-800 (N553AS)。ちなみに「おばはん航空」で私に知られるのはハワイアン航空です。
アエロメヒコのボーイングB787-8 (N961AM)。メキシコのフラッグキャリアですね。
我らがエアカナダのB777-300ER (C-FIVR)。アメリカ~カナダ路線に777入れるなんて珍しいね。
スピリット航空のA319-100 (N524NK)。これもLCCですが、搭乗記を読んでみると評判悪いのでそっ閉じ。
ボラリス航空のA320-200 (XA-VON)。これはメキシコのLCC。
そんなこんなで搭乗時刻になりましたんで、撮影を切り上げて搭乗ゲートへ。
さっきの767の12:55発AC1881便に乗ってロサンゼルスからバンクーバーまで3時間の飛行です。さらば合衆国よ。また3ヶ月後に会おう。
バンクーバー空港ではビクトリア行きの飛行機に乗り継ぎます。
バンクーバー~ビクトリア間は1時間に1本間隔でピストン輸送しているので、わりとすぐに乗り継げるんですが、すぐに接続する便よりも数本後のものにすると航空券が安くなったので、それにしました。別に急いでないしね。
乗り継ぎに3時間くらい待って、バンクーバーからはエアカナダ・エクスプレス(ジャズ航空運航)の19:00発AC8079便に搭乗。機材は御存知おなじみのボンバルディアDHC-8-300 (C-GUON)です。
これに30分間揺られてビクトリア空港へ。
ビクトリアに着きました。
2019年になってみれば、ボンバルディアはDHC-8の製造権を手放してしまい、それを引き継いだ会社がまさかのデ・ハビラント・カナダの名前で再製造するとかしないとかの状況だそうです。
いまのところこの大きさのプロペラ機はATRのほぼ独壇場になってますが、DHC-8が盛り返せるのかどうか。個人的にはそうなってほしい。
ビクトリア空港からは路線バスのBCトランジットを乗り継いでお家まで帰りました。
はい、これにて北米project 4、ようやくようやく完結です。
今回はひたすら飛行機を見てみよう、ということを主題に据えて旅行したわけですが、あまりの物量と情報量でした。執筆期間は丸々三年間と、1週間程度の旅行なのに過去最長の時間を費してしまいました。いやほんとスマン。
これを超えるとなるとアメリカ空軍博物館かスミソニアン博物館に行った時になると思いますが、さてはて・・・。
アリゾナ州のピマ航空宇宙博物館は中でも印象深い場所で、砂漠の中にあれだけの航空機をかき集めている博物館は世界広しといえどそうそうないでしょう。
中々行きにくい地域にあるので、3年半経った今振り返ってみると行っておいてよかったと思います。
しかしながらあっという間に時間切れになる物量で、まともにその情報を読み取ることはほぼ出来ていませんでした。生きている内にあと一度は訪れておきたいなと思います。この3年で展示物がまたいくつも増えてるみたいだし。今度は2日間券を買いましょう。
いくつもの飛行機を見てきました。本物の機体を見るのはいいことです。対象について色々知りたくもなってきます。それのプラモデルを作りたくもなってきます。私の場合これのせいでプラモデル購入の選定基準がガバガバのガバになってしまい、色々買い集めて積んでいってしまうようになりました。「あ、これ博物館で見たやつだな、ポチー」な具合です。
惜しむらくはアメリカの町並みを見ている余裕がなかったことです。町歩きしませんでしたからね。これは3年後の北米P6で多少それを楽しめました。
そういうわけで、また次の北米Pで会いましょう。
(2019年12月28日追記)
あ、書き忘れありました。
あんだけこまめにコツコツと書いてきていた今回見た飛行機の数の計測のことをすっかり忘れていました。
今回見た航空機は全部で510機でした!!いや、多いなこれ。よくもまあと思います。旅客機とか飛行機の墓場の機体とか、意図的に外したやつも含めると・・・ふふふ。
さすがに一度の旅行でこの数を見ることは今後はないと思います。
次、今回一番多く見た機種はどれか。調べてみました!
5機
A-7コルセアII、F-14トムキャット、C-47スカイトレイン、MiG-17
6機
T-6テキサン、F-86セイバー、T-33シューティングスター、UH-1ヒューイ、MiG-15
7機
A-4スカイホーク
8機
F-4ファントムII
と、なっていました。ここに挙がっている機体は順当だと思います。
博物館の常連のT-6とT-33はやはり上位に食い込んでいますし、人気の高いF-14もあちこちで保存されているということですね。東側機もMiG-15とMiG-17は多くアメリカに放出されているんでしょう。
A-4が第2位に入ったのは少々意外でした。特に説明できそうな理由が見つからない。
第1位はF-4でした。海軍と空軍で使われていたのと派生型の多さから1箇所に複数機置いてあったのが効いたのでしょう。
という感じでした。いかがでしたか?
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