中井悠美子(悠石)「四季の絵文日記」 2011/9/24~

四季を語る「絵文」と、日常を織り交ぜた小さな日記。
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Vol. 113 お雛様考

2012年02月04日 18時56分38秒 | 日記
  やがて来る「雛祭り」を先取り・・・茶道では季節感を大切に。少し早く取り入れます。

  子供の頃の思い出。
  弥生の中頃「雛」をかざります・・昭和30年代・・・田舎では「旧暦」で祝ったのです。
  ・・・ネズミにおびえなつつ、物置から、座敷に運び込みます。
  
  しまうとき、お顔に掛けておいた薄紙を外すと「生き生き」としたお顔が現れます。
  お内裏様の気品に満ちたお顔。
  まだ物が豊かでなかった時代。「昭和25年」妹の誕生を祝って、母が「大阪」から取り寄せたという「五段飾り」

  三人官女、五人囃子、右大臣左大臣、泣き上戸、笑い上戸・・・と、すすみ
  最期の段には、お姫様のお輿入れのお道具「針箱、たんす、かがみ」等を飾り付け・・・
  小さなお膳に、会席料理のまねごとを盛りつけ、ひなあられ、菱餅を飾り付けて完成です。

  ぼんぼりの明かりを灯し、お花を生けて、・・・「きれいねえ」
  子供の頃の優しい思い出は、大人になっても生きる力になるのですね。
  
  あのお雛様は。今ではネズミの巣になっているかもしれません。
  暗い物置で泣いていらっしゃるかも・・・
  しまい込んだままで、おそらく40年近くになると思うのです。
  時代は巡って・・・ホントに昭和は、遠くなったなあ!・・・

  
  今日はお茶の先生宅で「お道具」の整理を致しました。
  弟子・・・総出です。
  先生は昨年末、お稽古場を閉じられました。89歳・・・品良く、見事に謙虚な生き方を貫かれました。
  
  時の流れとは言え・・・残念でたまりません。
  が、これからも「茶」の道を歩む限りは、先生とご一緒!
  頑張りなさいね・・・の声が聞こえて来るのです。

  時代は巡っても「変わらぬもの」もあると信じて・・・
  
  
  
  


  


  
     
コメント (2)
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