写真は三十六歌仙・・・一部分ですが。
「三十六歌仙(さんじゅうろっかせん)」は、平安時代中期の公卿・藤原公任(ふじわらのきんとう・966~1041年)
が著した「三十六人撰(さんじゅうろくにんせん)」に紹介されている、優れた三十六人の和歌の名人を指しています。
その内の一人「凡河内躬恒 ・おおしこうちのみつね」
心あてに折らばや折らむ初霜のおきまどはせる白菊の花
*こころあてに おらはやおらむ はつしもの をきまとはせる しらきくのはな (定家仮名遣)
百人一首の29番。ご存じの方も多いと思います。
私はこの歌も好きですが、一番のお気に入りは、次の一首。
「夏と秋と行きかふ空の通いぢはかたへすずしき風や吹くらむ」
去ってゆく夏とやって来る秋が、空の通路ですれ違う。
まだ夏で暑いのだが、秋がすでに待機していて、その秋が待機する側だけ
通路に涼しい風が吹くというのです・・・なんという素晴らしいユーモア!感性!
感嘆の他ありません!
「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」
やはり三十六歌仙の一人「藤原敏行」の歌・・・あまりにも有名なこの歌。
どちらにしても、こんな遠い昔から「季節の変わり目」に興味を持って歌にしてきたのですねえ!
日本独特のデリケートな季節感は、こういった歴史の積み重ねによっているのでしょうか!
季節の変わり目に興味を持って歌にしたのは、おそらく「日本人」だけではないでしょうか!
日中はまだ夏!
でも、朝夕はすっかり涼しく「秋虫」のこえも喜びを伝えてくれます。
そんな今日、秋の歌のお知らせをしたくなりまして・・・
皆様ご訪問有難うございました・・・・・・