Lady Sings The Blues/Billie Holiday
(Verve MGV-8099)
レディ・デイのVERVEの録音はレスター・ヤングと同様に彼女(彼)の本質ではないと批評家の皆さんたちは言われるかもしれません。しかしながら自分のライブラリの中にはVerveの諸作が多いのです。Verve時代、身も心もぼろぼろになったビリーのボーカルは、それはそれで味がありすべてが作品としての価値は十分にあると考えています。以前にアップした
「Songs For Distingue Lovers」に寄せていただいたコメントをみると意外に皆さんに聞かれていることがわかりますよね。確かにコモドア、デッカ、コロンビアの諸作はいいのでしょうが、録音状態はどうなのでしょう?自分はほとんど所有しておらず、Verveとの録音の差異について詳細を語ることが出来ません。てなわけで本日のアップもビリーのVerve盤です。
"Lady Sings The Blues"と題されるこのアルバムも当時のビリーの独特な絡み付くようなボーカルスタイルが聞かれます。タイトル通り、多くは陰鬱なbluesで占められていますが、ちょっと明るめの"Too Marvelous Words"や“"I Thought About You"等がセレクトされているのが面白いですね。もちろん得意とする"Strange Fruit", "God Bless The Child"、”Willow Weep For Me"などのナンバーも聞き逃せませんね。そしてコレをサポートするバックミュージシャンの人選の素晴らしさも特筆ものです。56年の録音ではCharlie Shavers (tp) Tony Scott (cl) Paul Quinichette (ts) Wynton Kelly (p) Kenny Burrell (g) Aaron Bell (b) Lenny McBrowne (ds)、54年の録音ではHarry "Sweets" Edison (tp) Willie Smith (as) Bobby Tucker (p) Barney Kessel (g) Red Callender (b) Chico Hamilton (ds)といった名手が名を連ねています。ビリーについては、どんなコメントも受け付けない崇高な印象がありますね。
所有盤はVerve INCのT字ラベルのモノラル盤です。体調のいいときにどうぞ!