Jazz & Romantic Places/Dave Pell Octet
(Atlantic 1216)
(Atlantic 1216)
Blog仲間のNOTさんからDave PellとLucy Ann PolkのKapp盤が出たところで、どうしてこんなアレンジの効いたスモールビッグバンド(こんな用語はないですかねぇ?)に注目するのか・・・?。やはりアレンジ重視のwest coast jazzの中で優れたフレージング、ボイスのボーカル(Lucyのことです!)があったりアンサンブルと対位的に出る良いサウンドのインストプレイヤーがいるからに他なりませんよね。もちろんPellののテナーだって悪くはないですが個性にはやや乏しい感じです。NOTさんのログのコメント欄でbassclefさんから「Lucyのレス・ブラウン楽団云々」というくだりがありましたが、Pell自身もこの楽団の重要なプレイヤーであったことを考えると3者の関係がおぼろげながら見えてきますね。本日は、これまたNOTさんが連続的にアップされたEQカーブで話題に上ったバリトンの名手Bob Gordonがこのデイブ・ペルバンドと共演したアトランティック盤をアップしますね。
タイトル通り、世界各地の地名を織り込んだご当地ソング集という面白い企画ものです。カバーも見ての通り、地球儀を持ってきているあたりはルビー・ブラフのそれと似ていますね。メンバーはDave Pell(ts), Bob Gordon(bs), Don Fagerquist(tp), Ray Sims(tb), Don Trenner(p&celeste), Tony Rizzi(g), Buddy Clark(b), Bill Richmond(ds)のオクテットです。Gordon以外は全てLes Brown楽団に属したことがあるプレイヤーですね。アレンジャーにWes Hensel, John Mandel, Jack Montrose, Marty Paich, Shorty Rogersが名を連ねています。演奏曲にはスタンダードは"Slow Boat To China"ぐらいしかなく、基本的にアレンジ過多の感じは否めません。しかしながらGordon, Fagerquist, Sims, Rizzi等のつぼを心得たソロは短いながら一聴の価値がありますね。特にSimsのボントロがスローテンポの"New Orleans"などでいい味を出していますね。
所有盤はAtlanticのブラックラベル、シルバーロゴのモノラルオリジナルでジャケットもコーテイングが効いた頑丈な作りです。女性と地球儀を配したデザインも秀逸ですね。