Urbanity/Hank Jones
(Verve MV2622 jp.reissue)
(Verve MV2622 jp.reissue)
ヒース3兄弟と並び、ジョーンズ3兄弟はジャズ界きっての才能あふれたブラザーズですよね。今日は、長兄ハンクのピアノにスポットを当ててみましょう。4半世紀前、新潟のイタリア軒というホテルのホールで生のハンクのプレイに接することがありました。全く端正なピアノトリオ(他はGeorge Duvivier, Shelly Manne)で、こんなホテルでのプレイに本場アメリカのジャズシーンの素晴らしさを肌で感じることができたことを思い出します。ピアノとベースは派手さなど微塵もなく本当に趣味のよいプレイで、むしろシェリー・マンの多彩なドラミングに驚いたライブでした。当時ハンクはGJTを結成しRon Carter, Tony Williamasとトリオを組んでいましたが、やはりデュビビエ、マンとのトリオの方が彼の繊細なタッチが生きますよね。ハンクのプレイで最も印象に残っているのは、BN最大の名盤と思われるマイルスの、いやキャノンボールの枯葉でのプレイに他ならないですが、本日はLP単位では最も古いと思われるリーダー盤を取り上げます。
冒頭のA面4曲がジョニー・スミス、レイ・ブラウンを加えたトリオのプレイで53年の録音です。後半の6曲は47年の録音でハンクのソロプレイにスポットが当たっています。A-1の"That's Pad"のジョニー・スミスのギターにニンマリするのは自分だけでしょうか。この時代の第1人者にふさわしいコードワークが光ります。A-3の"Little Girl Blue"もいいですしレイのベースはいつ聴いても演奏をグッとひきしめますね。ソロプレイではyesterdays, blue moon. tea for twoと有名なスタンダードを取り上げていますが、特にラグタイム風のプレイが印象的です。
所有盤は、当然の国内盤再発ですが、「端正」という言葉を冠するにふさわしいハンクのプレイは本当に耳障りがいいですよね。DSMの秀逸カバーもジャケットフリークにはたまらない一枚だと思います。