Jazz At The Hollywood Bowl/Various Artists
(Verve MGV8231-2)
(Verve MGV8231-2)
昨日デッカのジャムセッションがでたところで、今日はVerveのグランツ主催のコンサートアルバムを行ってみましょう!。JATPのコンサートは以前にサンタモニカのライブをアップしていますが、本日のアップはLA世界最大の野外音楽堂「Hollywood Bowl」で開催されたコンサートの収録盤です。
グランツの粋なMCに始まるジャムセッション。まずはファッツ・ウォーラーのHoneysucle Roseからです。ピーターソンのイントロに続き輝かしいトーンのスウィーツのトランペット、続いてblog仲間のbassclefさんご推奨のフリップのサックス、ジャケーのサックスと続いていきます。しんがりは艶やかなトーンのロイ・エルドリッジのラッパです。リズムはこの時代はOPトリオ(OP, Ray Brown, Herb Ellis)+Buddy Richの編成です。そしてグランツお得意のバラードメドレーに引き継がれていきます。ロイの"言い出しかねて"、スウィーツの"If I Had You"ともに彼らの朗々とならすオープンでのバラードプレイがいいですね。サイド2ではリッチのドラムソロがfeatureされる"Jumpin' At The Woodside"があり、OPトリオが残って"920special", "How About You"をやってくれます。サイド3はテイタムのソロです。そしてお待ちかねのエラの登場です。サイド4にかけて6曲”Love For Sale", "Just One Of Those Things", "Little Girl Blue", "Too Close For Comfort", "I Can't Give You Anything But Love", "Airmail Special"と得意曲ばかり、歌も凄いが相変わらずステージのうまさが光りますね。特にRose Murphyとサッチモの物まねを駆使した"I Can't Give You Anything But Love"はニューポートのライブでも聴けますが、こちらが先で、さすが十八番という感じで貫禄すら感じます。ケッセル+ポール・スミス・トリオがバックです。そして最後に真のサッチモ登場で盛り上がりは最高!エラ&ルイの再現は"You won't Be Satisfied"と"Undecided", この掛け合いの妙はご存知の方はウンウンとうなづくこと間違いなしですよ!サッチモ、やはり存在感が抜群ですね!最後は聖者の行進、全く企画通りに誰がプロデュースしてもまずこの展開だろうと言う王道的コンサートは幕を閉じます。2枚組は得てしてハイライトが散漫になりがちですが、いずれも粒ぞろいで素晴らしい演奏が続いていきます。1956年、これだけのメンバーを揃えることができた当時のグランツの手腕、パワーには脱帽ですね。
所有盤はVerveのクレフシリーズトランぺッターラベルのモノラル盤です。あたり前ですがgate fold coverです。録音も上々で本当にヴィヴィッドなサウンドでザクザクしたエリスやケッセルのギター、レイの高音のピチカート、艶やかなOPのピアノなど最高の音で録られてますね。ハリウッドボウルの客席を体感できるアルバムですよね。